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新人経理担当者のための仕事術 第7回

経理の基本ルールは「企業会計原則」に基づいている

[ 村井 直志<むらい・ただし>(公認会計士)]

「経理」という仕事はじつに奥深く、会社の根幹を支える大事なものです。本連載では、「豆を仕切れる人」になるために、これだけはぜひ知っておいてほしい経理担当者のリテラシーについてお伝えしていきます。

新人経理担当者のための仕事術

経理の仕事は「公正なる会計慣行」に従って行われる

 日々の経理業務には、さまざまな法律やルールが定められています。そのベースにあるものが「公正なる会計慣行」です。

 経理の世界には、一般に公正妥当と認められる“公正なる会計慣行に従う”という大原則があります。この会計慣行は、GAAP(Generally Accepted Accounting Principles:略してガープあるいはギャープ)とも呼ばれます。

 いわゆる「経理の憲法」ともいえるのが、GAAPです。

 この「公正なる会計慣行」は国ごとに違いがあり、日本では「企業会計原則」を指します。
 会社法や金融商品取引法、税法などの法律も、この企業会計原則の慣行を利用しています。

 企業会計原則は、経理部門の最も基本となるルールなのです。

経理ルールは「公正なる会計慣行」がベースにある

企業会計原則における公正なる会計慣行

「企業会計原則」とは

 経理の仕事を始めたばかりの人に、いきなり「企業会計原則」を理解しろといっても無理な話です。

 そこで最低限、新任経理担当者はまず、以下の5つの原則を覚えることから始めましょう。

重要性の原則

 重要な取引には厳密な会計処理が要求され、重要性の乏しい取引は簡便な会計処理を採用することが認められている。

継続性の原則

 企業がいったん採用した会計処理の原則と手続きは、みだりに変更せず、毎期継続して適用することが要求される。

発生主義

 すべての費用と収益は、その支出と収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割り当てられるように会計処理しなければならない。

実現主義

 当期末までに実現していない未実現収益は、原則として当期の損益計算に計上してはならない

保守主義

 企業会計は、予測される将来の危険に備えて慎重(保守的)な判断に基づいた会計処理を行わなければならない。

▼連載「新人経理担当者のための仕事術」

本記事は、『即戦力になる!基本が身につく 経理に配属されたら読む本』(日本実業出版社)より内容を抜粋し、企業実務オンライン用に再構成したものです。

『即戦力になる!基本が身につく 経理に配属されたら読む本』

『即戦力になる!基本が身につく 経理に配属されたら読む本』
村井 直志 著 日本実業出版社 発行 A5判 208頁 定価1,400円(税別)

経理に配属された新人が「即戦力」になるために必要な基本知識を解説

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即戦力となる経理担当者に必要なスキルが、この1冊で身につきます。

著者 : 村井 直志<むらい・ただし>(公認会計士) 中央大学商学部会計学科卒。税務事務所、大手監査法人、コンサルファーム、東証上場会社役員などを経て、公認会計士村井直志事務所を開設。ビジネスにまつわる「数字」をわかりやすく伝承するアカウンティング・キュレーターとして、経営コンサルティング・監査・不正調査のほか、セミナー・執筆を行う。
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