書類提出後に間違いを発見したら?
毎年7月は、社会保険の「定時決定」の時期です。定時決定とは、年に1度、4月~6月に支給した給与をもとに、その年の9月からの健康保険と厚生年金保険の保険料を決定するために必要な手続きのことをいいます。
いまの時期は、皆さんの会社にも年金事務所(健康保険組合に加入している会社であればその組合。以下、「年金事務所等」といいます)から大きな封筒が届いていて、なかには、「ああ、今年もこの時期がきたか…」と頭を悩ませている総務経理の担当者もいるのではないでしょうか。
今回は、その届出の方法に突いて、せっかく提出したのに間違いを見つけてしまった、または提出が遅れてしまった、そのような場合の対応の仕方について説明します。
期限内に提出はしたものの、うっかり報酬の金額を間違えてしまった、また、随時改定の対象者だったのに定時決定の対象としてしまったなど、提出書類に不備があることに気がついたとき、どうしたらよいのでしょう。
①年金事務所等に電話をする
提出後に間違いに気がついた場合は、すぐに年金事務所等に電話をし、間違えたので再提出したいということを申し出ます。そのときに、電話に出た方の名前を控え、その方宛てに書類を再提出すれば、手続きがスムーズに進みます。
②訂正書類を作成する
訂正の方法としては、下表のように算定基礎届の用紙の上のほうに「訂正」と大きな字で記入します。
金額を間違えた場合には、間違えた金額欄を2段書きして、上段に正しい金額を、下段に間違った金額を赤で書きましょう。
随時改定の対象者を定時決定の対象として提出してしまった場合には、算定基礎届の書類の備考欄に「7月月変予定」と記入し、あわせて随時改定の書類も提出することになります。
それらの書類が標準報酬月額の決定に間に合えば、正しい金額で計算された「標準報酬月額決定通知書」が届き、9月から対象となりますが、もしも間に合わなかった場合でも、10月以降の社会保険料の引き落としの際に調整してもらえます。
気がついたら、すぐに訂正しましょう。
また、いざというときすぐに対処してもらえるように、提出書類はすべてコピーしておきます。訂正を依頼するときはそのコピーを添付し、
「○月○日にこの書類を提出しましたが、間違えておりましたので、正しいものを改めてお送りします」
と書き添えて正しい書類を提出すれば、先方も確認がスムーズにできます。
年金事務所等から問い合わせがくることもありますので、コピーは必ずとっておきましょう。
月刊「企業実務」2016年7月では、このほかにも提出するのが遅れてしまったときや「定時決定(算定)時調査のご案内」と書かれた書類が届いたときの対処法を解説しています。