ITの技術革新は社会のあり方を急激に変革しています。
そんななか、経済産業省は「データを核としたビジネスモデルの転換」を促すべく、大規模な規制緩和に乗り出す方針を公表しています。
企業が人工知能やビッグデータの活用など、ITを利用した技術革新に取り組みやすい環境を整えるには、規制の見直しが必要だという観点から、産業構造審議会商務流通情報分科会情報経済小委員会が、「CPSによるデータ駆動型社会の到来を見据えた変革」についての中間取りまとめを行なっています。
情報処理促進法等の見直し
たとえばドローンの活用と航空法の関係など、新技術を活用したビジネスモデルを開拓しようとすると、既存の規制と抵触したり、グレーゾーンが生まれたりする可能性があります。
コンプライアンス意識の高い日本企業は、それゆえに動きが遅くなり、海外の競争相手に後れをとってしまうのでは、という懸念が指摘されています。
そこで、CPSに対応できていない制度・規制を見直し、新たな法的枠組み・執行体制の構築を図るため、情報処理促進法や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の機能の強化について検討を行ないます。
デジタルエコノミーに対応した国際的枠組みの整備
データやCPSビジネスは容易に国境を越えるという性質を持ちます。それぞれの国の法律の適用の範囲や知的財産権的保護のあり方、課税、セキュリティといった各種ルールが不明確だと、企業のグローバル活動の障害となります。
データの越境移転の自由と適切な保護とのバランス、CPSビジネスに対する法規制の域外適用と最終的な執行のあり方、データ独占の競争法上の取扱い等について、欧州等との政府間対話や国際的な議論も踏まえ検討します。
このほか、特区の活用、データ交換についてのひな形整備など、人工知能やビッグデータの活用を促進する環境整備が図られます。情報処理促進法など関連法の改正については今年度内に結論をまとめ、来年の通常国会で審議する予定です。