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これからの法改正の動き

カスタマーハラスメント対策を事業主の措置義務に

[ 2024年10月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」により、雇用の分野における女性活躍推進やハラスメントについての現状分析や論点整理をまとめた報告書が公表されました。報告書では次の3つの柱が示されています。

(1) 女性活躍推進法等を通じた雇用の分野における女性活躍のさらなる推進

 時限立法である女性活躍推進法の期限を10年間延長することや、事業主行動計画の策定が努力義務である常時雇用する従業員100人以下の企業は努力義務を維持したうえで支援策を充実すること、常時雇用する従業員101人以上300人以下の企業にも男女間賃金差異公表を義務化すること等が示されています。

(2) 月経・不妊治療・更年期等の健康課題への対応

 女性特有の健康課題への取組みの要素を女性活躍推進法の事業主行動計画に盛り込むことや、女性特有の
課題に取り組む企業を評価するため、「えるぼし認定制度」の見直しなどが示されています。

(3) 職場におけるハラスメント対策の充実

 一般に職場のハラスメントは許されるものではない、という趣旨を法律で明確化することが考えられるとしています。またカスタマーハラスメントについて、事業主の雇用管理上の措置義務とすることが適当ともされています。

● カスタマーハラスメントの定義

 カスタマーハラスメントの定義については、次の3つの要素のいずれも満たすものとして検討すべき、とされています。

・顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行なうこと
・社会通念上相当な範囲を超えた言動であること
・労働者の就業環境が害されること

 「社会通念上相当な範囲を超えた言動」か否かの判断については、「言動の内容」および「手段・態様」に着目し、総合的に判断される、としています。

 「言動の内容」「手段・態様」の片方のみで社会通念上相当な範囲を超える場合や、正当な指摘等を受けた事業者(労働者)の側の不適切な対応が端緒となっている場合があることにも留意する必要がある、としています。

 なお、客観的にみて、社会通念上相当な範囲で行なわれたものは、いわば「正当なクレーム」であり、カスタマーハラスメントに当たらないことに留意する必要があるともしています。

 今後、厚生労働省は、この報告書を踏まえ、労働政策審議会雇用環境・均等分科会での審議を経たうえで、女性活躍推進法の改正作業を進める予定です。

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