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これからの法改正の動き

技能実習制度を発展的に解消し「育成就労制度」を創設

[ 2024年1月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」が最終報告書をまとめました。

4つの方向性

 報告書では「外国人の人権保護」「外国人のキャリアアップ」「安全安心・共生社会」の3つの視点(ビジョン)から見直しを行なうとされ、次の方向性が示されました。

1. 技能実習制度を、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度とするなど、実態に即した見直しとすること

2. 外国人材に日本が選ばれるよう、技能・知識を段階的に向上させ、その結果を客観的に確認できる仕組みを設けることでキャリアパスを明確化し、新たな制度から特定技能制度への円滑な移行を図ること

3. 人権保護の観点から、一定要件の下で本人意向の転籍を認めるとともに、監理団体等の要件厳格化や関係機関の役割の明確化等の措置を講じること

4. 日本語能力を段階的に向上させる仕組みの構築や、受入れ環境整備の取組みにより、共生社会の実現を目指すこと

技能実習制度の廃止と新たな制度の創設

 現行の技能実習制度を発展的に解消し、人材確保と人材育成を目的とする「育成就労制度」という新たな制度を創設することが提言されています。基本的に3年の育成期間で、特定技能1号の水準の人材に育成することが求められます。

本人意向の転籍を認める

 「やむを得ない事情がある場合」の転籍の範囲の拡大・明確化と、手続きの柔軟化が提言されています。

 加えて、以下の条件を満たした場合には、本人の意向による転籍も認めるとされています。

・同一機関での就労が1年超
・技能検定試験基礎級等や日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)に合格
・転籍先機関の適正性(転籍者数等)
・同一業務区分に限る

特定技能制度の適正化

 特定技能制度については、適正化を図ったうえで現行制度の存続が提言されています。

 新制度から特定技能1号への移行は、技能検定試験3級等の合格を条件に認める等とされています。

 また、試験不合格となった者に、再受験のための最長1年の在留継続を認めるともされています。

 法務省は最終報告書を受け、具体的な改正法案づくりに入ります。

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