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これからの法改正の動き

書面主義や押印原則などの商慣行を見直し

[ 2020年7月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 新型コロナウイルス感染防止への対応が課題となるなか、テレワークを進めていても、一部の社員が押印のために出社せざるを得ないような状況が起きています。

 その背景にあるのが商慣行として存在する「書面主義、押印原則、対面主義」です。

 政府の規制改革推進会議では、経済4団体からテレワークの障害となる規制・制度等についての緊急要望を受け、次のような対応方針を示しました。

1 行政手続きに関するもの

 次の手続きについて、押印を本人確認に用いる必要性の低いものについては、緊急対応として手続き簡素化、押印不要化、添付書類削減、電子メールでの受付等、中期的には押印の制度的見直し、書類の簡素化等を含むオンライン化、そのさらなる推進に取り組むとしています。

①社会保険・労働関係(健康保険、雇用保険等および労働基準・労働安全等の各種申請・届出)
②各種証明書(就労証明書、在職証明書等)
③安全規制(施設用の点検・検査・責任者等について届出等)
④業法(営業についての許認可・変更申請・各種届出等)
⑤国税・地方税
⑥補助金・交付金(交付申請、変更申請、交付、実績報告、成果報告等)
⑦統計・調査
⑧会計、人事関係書面など(契約書、領収書、見積書、承諾書、決済など)
⑨地方公共団体の手続きなど

2 民民間の商慣行等による手続きに関するもの

 テレワークの推進のためには、民間においても、社内、他社との関係の双方においても、文書、押印、対面による仕事のやり方を抜本的に見直し、電子化を進めることを求めています。

 そして、民民間の手続きで特に要望の多かった次の分野については、法令上の制度見直しも含めて、重点的に取組みを求めています。

①不動産関係(売買時の重要事項説明書の書面交付等)
②金融関係(口座開廃、振込変更等、顧客と金融機関間の手続きの 書面・押印等)
③会社法等一般法関係(取締役会議事録の取締役押印、単体財務書類のウェブ開示等)

 また、電子署名については、デジタル時代の有効な手段として利用拡大に向けて周知徹底を図るとともに、電子署名の取扱い等に使い勝手改善の余地があり、早急の見直しが必要としています。

 緊急対応として可能なところから順次、また中期的には会社法や電子署名法等、関係法令の改正まで視野に入れた商慣行の見直しは、企業の負担軽減に直結します。今後の展開に期待したいところです。

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