経済産業省はこのほど、「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会」を立ち上げ、IT活用の視点を切り口にした株主総会プロセスについて検討を始めました。
「背景・趣旨」と「主な検討事項」は以下のとおりです。
(1)背景・趣旨
・定時株主総会の開催日は、特定の日に集中してしまう
・株式保有構造が変化して持ち合いの解消などにより政策保有株式が減少し、機関投資家の保有比率が上昇している
・金額ベースでは、国内機関投資家と海外機関投資家がそれぞれ3割程度、国内事業法人、個人等がそれぞれ2割程度となっている
・株主提案は、個人からのものが大幅に増加している
・議決権行使に向け、年間を通じた株主との対話がより重要になる傾向にある
・2018年6月に株主総会を開催した企業のうち、招集通知を発送前にWebで公開した企業は77%にのぼる
・議決権行使の電子化については、個人株主、国内機関投資家、海外機関投資家の進捗状況にそれぞれ濃淡があるものの、徐々に浸透している状況
これらの背景・状況を受けて、同研究会では、株主総会当日の新たな電子的手段の活用のあり方、および、近年の内外の制度整備や実務の積み重ねを踏まえたさらなる対話のための環境整備等について検討されます。
(2)主な検討事項
株主総会のIT活用(ハイブリッド型バーチャル株主総会)という視点を切り口にして、会議体としての株主総会のあり方、昨今の企業と投資家(株主)の対話に係る状況を踏まえた株主総会プロセスについて検討します。
①ハイブリッド型バーチャル株主総会に係る論点整理
②会議体としての新たな株主総会像について
③内外の環境変化を踏まえた株主総会プロセスの再考
同研究会では、今年度中のとりまとめを目指しています。それを踏まえて、株主がインターネット経由で株主総会に出席・参加できるようにする指針を策定する予定です。