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これからの法改正の動き

仮想通貨取引に関する規制を強化

[ 2019年2月号 月刊「企業実務」編集部 ]

bitcoin

 仮想通貨については、顧客の保有する仮想通貨の流出、仮想通貨交換業者の破綻、また仮想通貨の投機対象化などが発生する一方で、法規制等の環境整備が追いついていない状況でした。

 そこで金融庁では、「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置し、制度のあり方について議論を進めてきましたが、このほどその検討結果が公表されました。

 主な提言については、以下のとおりです。

仮想通貨の流出リスク等への対応

 ネット上で保管している顧客の仮想通貨相当額以上の純資産額・弁済原資の保持を義務付けるほか、財務書類の開示を義務付けます。

 また、顧客の仮想通貨返還請求権を優先弁済の対象とする仕組みを整備します。

業務の適正な遂行の確保

 取引価格情報の公表を義務付けるほか、投機的取引を助長する広告・勧誘を禁止します。

 このほか、自主規制規則に準じた社内規則を策定していない業者である場合、登録拒否あるいは取消しを行ないます。

問題がある仮想通貨の取扱い

 利用者保護や業務の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれがある仮想通貨の取扱いを禁止するほか、取り扱う仮想通貨を変更する場合、事前届出が必要となります。

ICO(仮想通貨を用いた資金調達)への対応

 仮想通貨を使って一般に出資を募る行為が規制対象となることを明確化します。

 さらに、仮想通貨の流通性の高さや投資家のリスク等を踏まえて、以下のような仕組みを整備します。

・50名以上に勧誘する場合、発行者に公衆縦覧型の情報資料の発行・継続開示を義務付け
・仲介業者を証券会社と同様の業規制の対象とし、発行者の事業・財務状況の審査を義務付け
・有価証券と同様の不公正取引規制を適用
・非上場株式と同様に、一般投資家への勧誘を制限

 このほか、国際的な動向を踏まえ、「仮想通貨」の法令上の呼称を「暗号資産」に変更するとしています。これらの提言等を受けて、資金決済法と金融商品取引法の改正を目指します。

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