5Gの円滑な導入に向け電波活用指針を整備
総務省は、これからの移動通信トラフィックの急増に対応するため、第5世代移動通信システム(5G)等の次世代移動通信システムの実用化をにらんだ電波の活用指針案をまとめました。
5Gとは、超高速(2時間の映画を3秒でダウンロード)、超低遅延(ロボット等の精緻な操作をリアルタイム通信で実現)、多数同時接続(自宅部屋内の約100個の端末・センサーがネットに接続可)を実現するといわれています。
検討されている方向性
現在、総務省で重点的取組として取り上げられているのは、主に以下のような項目です。
①自動運転システムおよびコネクテッド・カー(ネットへの常時接続機能を具備した車)社会の実現に向けた対応
②無線LANの高度化等に向けた対応
③衛星通信システムの高度利用に向けた対応
④超高精細度テレビ放送(4K、8K)の実現に向けた対応
⑤東京オリンピック・パラリンピック等に向けた電波利用環境の整備
⑥loT時代の技術基準適合証明書(電波法令に適合していることを証する書類)等にかかる検討
全国展開の確保へ
5Gが普及すれば、いままでの「人だけ」から「あらゆるモノ」が通信サービスの対象になると期待されていることから、都市部・地方を問わず「産業展開の可能性がある場所」に柔軟にエリア展開できる指標を設定することが重要としています。
また、5Gに地域課題解決や地方創生への活用が期待されることから、地方での早期エリア展開を評価する指標を設定することも求められています。
具体的には、全国を10km四方のメッシュに区切り、メッシュごとに5G高度特定基地局を整備することで、広範な全国展開を確保するイメージです。
電波利用料の使途を拡大
このほか、5Gを支える光ファイバー網の整備に当てるため、通信や放送の事業者から徴収する電波利用料の使途を2019年度から拡大したい考えです。
このため、料率の変更などを盛り込んだ電波法の改正案を2019年の通常国会に提出するとしています。