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これからの法改正の動き

裁判手続きのIT化を検討

[ 2017年12月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 迅速かつ効率的な裁判の実現を図るため、このほど、政府の「裁判手続等のIT化検討会」が発足しました。

 検討会では、諸外国の現状も踏まえ、裁判における手続き保障や情報セキュリティ面を含む総合的な観点から、利用者目線で裁判にかかる手続き等のIT化を推進する方策について検討される予定です。

(1)裁判手続きについての課題とは

 2004年には民事訴訟法が改正され、オンライン申立システムが札幌地裁のみで試行運用されていましたが、2009年に運用停止となっています。

 現在ではさらにインターネット技術が発達し、オンラインで効率化できるような案件も増えているなか、従来のままの書面主義、対面主義でよいのか、裁判手続きのIT化を進めるべきではないか、などの要望が経済界から寄せられています。

(2)デジタル・ガバメントの推進方針

 ことし5月には、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部において、次のような「デジタル・ガバメント推進方針」が掲げられました。

●デジタルファースト原則(手続きの電子化の徹底を前提とする)
●ワンスオンリー原則(1度提出した情報は、2度提出することを不要とする)
●コネクテッド・ワンストップ原則(複数の手続き・サービスがどこからでも1か所で実現する)

(3)IT化の検討項目

 以上のような経緯を踏まえて、検討会で議論の対象となっているのは以下の項目です。

●e提出(訴状、答弁書、準備書面、証拠資料等を24時間、365日提出可能に)
●e事件管理(事件の経過・期日の管理、提出書面・証拠の内容管理、判決・決定内容等の管理)
●e法廷(口頭弁論、TV会議システムの導入)

 このほか、倒産手続き、競売手続きのIT化などについても検討される予定です。

 民事訴訟関連法令の見直しを含めて議論し、今年度中に結論を出すとしています。

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