障害者の職業の安定等を図ること等を目的として、障害者雇用率制度が設けられています。
障害者雇用を義務づける制度
これは、事業主に対し、法定雇用率に相当する人数の障害者の雇用を義務づけるもので、現在では、民間企業については2・0%の法定雇用率が設定されています。
常用労働者が100人を超える雇用率未達成事業主については、1人不足するごとに月額5万円の障害者雇用納付金が徴収されます(減額特例あり)。
反対に、常用労働者が100人を超える雇用率達成事業主については、1人超過するごとに月額2万7000円の障害者雇用調整金が支給されます。
常用労働者が100人以下の中小企業でも、各月の雇用障害者数の年度間合計数が一定数を超えて障害者を雇用している場合は、その一定数を超えて雇用している障害者1人につき2万1000円の報奨金が支給されます。
2018年から精神障害者の雇用が義務化
法定雇用率を算定する際、従来は身体障害者と知的障害者を算定基礎として計算していました。しかし、2013年に障害者雇用促進法が改正され、20 18年4月から、精神障害者の雇用が義務化されるため、その算定基礎に精神障害者を加えることになっています。
2020年度末までに法定雇用率を段階的に引上げ
法定雇用率については、労働政策審議会障害者雇用分科会で各国の事例(フランス6%、ドイツ5%)などとも比較しつつ検討が行なわれてきましたが、このほど、2・3%に引き上げることが決まりました。
激変緩和措置として、2018年4月に現在の2・0%から2・2%に引き上げ、その後、障害者の就労環境の整備状況をみつつ、2020年度末までに2・3%にする方針です。
国や地方自治体、独立行政法人は現在の2・3%から2018年4月に2・5%に引き上げたうえで、2020年度末までに2・6%にします。
障害者雇用促進法施行令の改正により、正式に法定雇用率が決まる予定です。