政府は、「世界で一番企業が活動しやすい国」とすることを目指して行政手続の簡素化を図る方針です。諸外国の取組み調査等を行ない、事業者目線で規制・行政手続コスト削減に係る手法や目標設定のあり方を検討したうえで、計画的な取組みを推進するとしています。
そこで次のような取組み手法が示されています。
重点分野の選定
事前に行なわれた事業者に対するアンケート調査によると、負担感が上位の行政手続は、
② 社会保険に関する手続
③ 国税
④ 地方税
⑤ 補助金の手続
⑥ 調査・統計に対する協力
⑦ 従業員の納税に係る事務
⑧ 従業員の労務管理に関する手続
⑨ 商業登記等
⑩ 従業員からの請求に基づく各種証明書類の発行
などです。この10分野で全回答の75%を占めており、これらを中心に検討される予定です。
コストの削減目標
削減目標は定性的なものではなく数値目標が必要とされており、削減対象は「事業者の作業時間」とすることが提案されています。数値目標としては、削減率を設定するとしています。
先行する欧米でのコスト削減目標は、英国、ドイツ、フランス、オランダ等では25%、カナダでは20%となっており、日本でも同様の数値を目指す方針です。
取組みの予定
①2017年6月末まで
各省庁で、行政手続コスト削減に係る暫定的な削減計画を策定します。
②2017年7月から2018年6月頃まで
暫定的な削減計画に基づき、各省庁は削減の取組みに着手します。並行して、各省庁の削減計画・取組みについて議論を行ないます。その議論を踏まえ、削減計画(本計画)を策定します。
③2018年7月から
各省庁は本計画に基づき、削減の取組みを進めます。
社会保険関連の手続削減等が柱になるとみられ、事業者の負担軽減が期待されます。