経済社会の構造改革をさらに推進し、日本企業の国際競争力を強化するために地域を限定して規制を緩和する国家戦略特区の対策案がまとまりました。
医療イノベーションの推進、観光客を含めた外国人の受入れなどが中心となります。
以下、規則緩和策のポイントを紹介します。
テレビ電話による服薬指導の特例
特区内の一定の地域に居住する者に対し、遠隔診療が行なわれた場合、テレビ電話を活用した服薬指導を行なうことができます。
障がい者雇用率の算定特例の拡充
障がい者雇用率の通算が可能となる組合について、有限責任事業組合(LLP)を対象に追加することで、中小企業による障がい者雇用を推進します。
過疎地域等での自家用自動車の活用拡大
訪日外国人をはじめとする観光客を中心とした運送需要に対応するため、現行の自家用有償旅客運送制度を拡充し、主として観光客を運送するための新たな制度を創設します。
外国人材の受入促進
ファッション、デザイン、アニメ、食等の分野をはじめとする産業の海外展開やインバウンド対応を促すため、外国人のこれらの分野に関する専門知識・技能の習得を充実させます。
同時に、日本の専門学校等を卒業した留学生が、引き続きこれらの分野の国内企業に就労し、習得した専門的な知識・技能を活かせるようにするため、必要な措置を講じます。
民間と連携した出入国手続等の迅速化
外国人観光客に対する空港等での手続を迅速・快適なものにするため、出入国に際して必要な手続について、民間事業者等との十分な連携のもと、必要な施策を講じます。
政府は特区を規制改革の突破口と位置付け、特区で実施された特例措置が有効であれば、地域限定から全国へ拡大する予定です。
今通常国会に国家戦略特別区域法の改正案を提出し、成立を目指したい考えです。