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これからの法改正の動き

建設業界の重層下請構造など根本的問題の解決策を検討へ

[ 2016年3月号 月刊「企業実務」編集部 ]

昨年発覚した基礎杭工事のデータ流用問題を受け、国土交通省では問題の背景にある建設業の構造的な課題の是正について議論を始めました。

shizai

 昨年発覚した基礎杭工事のデータ流用問題を受け、国土交通省では問題の背景にある建設業の構造的な課題の是正について議論を始めました。

 中央建設業審議会と社会資本整備審議会合同の基本問題小委員会では、

①建設生産システムの適正化・効率化
②建設業を支える技術者や担い手の確保・育成
③建設企業の持続的な活動が図られる環境整備の推進

を主な検討課題としています。

4〜5次の下請けは当たり前

 国土交通省が現在実施している重層下請構造実態調査によると、作業員が4,000人を超えるような建設現場では、6割以上で最大下請次数が5次以上となっており、6都府県では4次以上の下請企業が存在する現場が4割を超えていると報告されています。

 行き過ぎた重層化についてはこれまでも議論されてきましたが、元請企業による工程管理や下請企業との連絡調整が滞り、効率的な施工が阻害されるという弊害が指摘されています。

 また、重層化が進むことで間接経費が増加し、下請企業への労務費が圧縮・削減されてしまいます。

 現場で起こる様々な事故や問題の背景にはこの重層化の存在があるといわれているだけに、発生する要因の分析や回避に向けた取組みが期待されます。

いわゆる「丸投げ」の是正も

 重層問題については、実質的に施工に関与しない「丸投げ」の存在も小さくありません。

 工事の一括下請負は、施工責任が曖昧になり、手抜き工事や労働条件の悪化につながるとして建設業法で原則禁止されています。しかし、実態としては、いまだに根絶されていません。

 丸投げとは、工事の施工に「実質的に関与」していると認められない場合に該当するとされますが、委員会ではこの定義の明確化も議論されそうです。

 国土交通省は、建設業法の改正を視野に入れつつ、ことし6月をめどに報告書をまとめるとしています。

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