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令和6年6月28日までの公布分

技能実習制度が見直され育成就労制度が創設される

[ 2024年8月号 月刊「企業実務」編集部 ]

令和6・6・21法律第60号=出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律 ほか

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 低賃金での長時間労働、実習生の失踪など、様々な問題が指摘された技能実習制度が見直され、新たに「育成就労制度」が創設されます。

育成就労制度の創設等

 技能実習の在留資格が廃止され、「育成就労産業分野」(特定産業分野のうち就労を通じて技能を修得させることが相当なもの)に属する技能を要する業務に従事すること等を内容とした在留資格である「育成就労」等の新設を中心とする「育成就労制度」が創設されます。

 また、特定技能所属機関(受入れ機関)が1号特定技能外国人の支援を外部に委託する場合の委託先が、登録支援機関に限定されます。

 あわせて不法就労助長罪の厳罰化と、永住許可の要件が明確化され、取消事由が追加されます。

育成就労制度の目的・基本方針

 育成就労制度の目的は、前述の育成就労産業分野において、特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することです。

 育成就労制度を実施するためには、育成就労の期間が3年以内であること、業務、技能、日本語能力その他の目標や内容、受入れ機関の体制、外国人が送出し機関に支払った費用額等が基準に適合していることなどの要件を満たした育成就労計画の認定が必要となります。

 また、転籍の際には、転籍先において新たな育成就労計画の認定を受けるものとされています。

 当該認定は、やむを得ない事情がある場合や、同一業務区分内であること、就労期間(1~2年の範囲で業務の内容等を勘案して主務省令で規定)、技能等の水準、転籍先の適正性に係る一定の要件(詳細な要件は、主務省令で別途規定)を満たす場合(本人意向の転籍)などに行なうこととされています。

 一部の規定を除き、公布の日から3年以内に施行される予定です。

食糧安全保障の確保

 農業基本法の基本理念に、食料安全保障の確保等を規定し、環境と調和のとれた食料システムの確立、農業の持続的な発展のための生産性の向上、農村における地域社会の維持等を図るための基本的施策が定められました。

(令和6・6・5法律第44号=食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律 ほか)

中堅企業者等を集中支援

 中小企業者を除く常用従業員2,000人以下の企業等=「中堅企業者」やスタートアップを集中支援するため、新事業の創出や新産業への投資を促進する措置が整備されています。

(令和6・6・7法律第45号=新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律)

事業性融資の推進

 事業者が不動産担保や経営者保証等に頼らずに、事業の実態や将来性に着目した融資を受けられるようにするため、無形資産を含む事業全体を担保とする制度(企業価値担保権)の創設などが定められました。

(令和6・6・14法律第52号=事業性融資の推進等に関する法律)

モバイル促進の法整備

 モバイルOSなどスマートフォンの利用に特に必要なソフトウェア(特定ソフトウェア)について、一定規模以上の事業を行なう指定事業者の禁止事項や遵守事項等が定められます。

(令和6・6・19法律第58号=スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律)

バリアフリー基準の見直し

 建築物の規模ごとに「車椅子使用者用便房」の設置数を規定するなど、トイレや駐車場などのバリアフリー基準が見直されました。

(令和6・6・21政令第221号= 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令)

海外製品の安全性規制強化

 海外事業者がオンラインモール等を通じて日本国内の消費者に直接製品を送付する場合、製品の安全性に関する国内の責任者(国内管理人)を明確にするなどの規制強化がなされます。

(令和6・6・26法律第67号=消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律)

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