令和4年5月18日に公布された「公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律」の施行に伴い、関係政令・内閣府令等の規定が整備されました。
1月25日に公布された政令の主な改正内容は、以下のとおりです。
上場会社等監査人登録制度に係る規定の整備
(1) 登録を受けた公認会計士および監査法人でなければ、その財務書類について監査証明業務ができないこととなる「上場会社等」の範囲が、「金融商品取引所に上場されている株券等の発行者等」と定められました。
(2) 登録申請者が監査法人である場合の登録拒否要件のうち、公認会計士である社員の最低人数が「5」とされました。
(3) 登録申請者が有限責任監査法人である場合の登録拒否要件のうち、最低資本金の額が「社員の総数×100万円」に相当する金額とされました。
(4) 登録上場会社等監査人が公認会計士である場合の共同監査人の数が「1」、共同監査人の数と補助者の数を合計した数が「4」と定められました。
監査法人の社員の配偶関係に基づく業務制限に係る規定の整備
監査法人の社員が被監査会社等の役員等と配偶関係を有する場合に、当該監査法人が行なう監査証明業務が制限されることとなる社員の範囲が、「当該被監査会社等の財務書類について当該監査法人が行う監査証明業務に関与する社員、業務の品質の管理の方針の策定及びその実施状況の検証をする社員等」と定められました。
この政令は、改正法の施行にあわせて令和5年4月1日から施行されます。
作業者の健康を守る
解体等の作業を行なうときは、石綿等の使用についての事前調査が求められますが、事前調査を行なう者の資格要件が設けられることに伴い、関連規定が整備されています。
(令和5・1・11厚生労働省令第2号=石綿障害予防規則の一部を改正する省令)
資格取得にかかる手数料引上げ
ボイラー溶接士免許試験、クレーン・デリック運転士免許試験などにかかる手数料が引き上げられます。
(令和5・1・18政令第9号=労働安全衛生法関係手数料令の一部を改正する政令)
高齢者の医療負担の調整
後期高齢者医療の低所得者への保険料の軽減措置について、5割軽減および2割軽減の対象世帯に係る所得判定基準が調整されています。
5割軽減の対象世帯に係る所得判定基準については被保険者数に乗ずる金額が28万5,000円から29万円に、2割軽減の場合は52万円から53万5,000円に改められます。
(令和5・1・18政令第10号=高齢者の医療の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令)
生活保護に関する手続き簡素化
市町村は、生活保護を受けるため国民健康保険の被保険者の資格を喪失した者について、公簿等でその受給が確認できた場合は資格喪失の届出を省略できるようになります。
(令和5・1・20厚生労働省令第9号=国民健康保険法施行規則の一部を改正する省令)
防火対策の整備
消防法施行規則の改正で、全域放出方式の二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備についての設置・維持や点検についての基準が追加されたことを受け、点検票等の様式が整備されました。
(令和5・1・23消防庁告示第1号=消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式の一部を改正する件)
外国人技能実習制度の様式変更
外国人技能実習制度において、監理費の徴収実績がより詳細に記載されるよう、提出を義務付けている事業報告書の様式が改正されました。
(令和5・1・31法務省・厚生労働省令第1号=外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則の一部を改正する省令)