「マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針」(令和元年6月4日デジタル・ガバメント閣僚会議決定)では、「ハローワークにおける雇用保険等の各種業務のフローについて、ペーパーレス化等の検討を行」なうこととされています。
これまで失業認定等の手続きは、受給資格者が顔写真付きの受給資格者証を提出し、管轄公共職業安定所の長は本人確認を行なったうえで、支給内容や次回認定日等の事項を記載して返付していました。
この手続きをマイナンバーカードの提示と雇用保険受給資格通知(以下、受給資格通知という)の交付によって可能にするための雇用保険法施行規則の改正が行なわれました。
ペーパーレス化への道筋
具体的には、マイナンバーカードの提示と受給資格通知の交付によっても雇用保険の手続きが可能となるよう、次のとおり規定の整備が行なわれました。
(1) 管轄公共職業安定所の長は、マイナンバーカードを提示して離職票を提出した者が、基本手当の受給資格を有すると認めたときは、当該者が受給資格通知の交付を希望する場合には、受給資格通知に必要な事項を記載したうえ、交付する
(2) 受給資格通知の交付を受けた受給資格者は、失業の認定を受けようとするとき等は、マイナンバーカードを提示して必要な申告書等を提出する
(3) 管轄公共職業安定所の長は、受給資格通知の交付を受けた受給資格者に対して失業の認定を行なったとき等は、その処分に関する事項等を記載した受給資格通知を交付する
(4) 受給資格者は、受給資格通知を滅失し、または損傷したときは、管轄公共職業安定所の長に申し出て、マイナンバーカードを提示して再交付を受けることができる
(5) 管轄公共職業安定所の長は、高年齢求職者給付金、特例一時金または教育訓練給付金の支給を受けようとする者が、マイナンバーカードを提示して離職票等を提出した場合であって、各給付の要件を満たすものと認めたときは、(1)~(4)と同様に、それぞれ高年齢受給資格通知、特例受給資格通知または教育訓練受給資格通知の交付等を行なうこと
当面の通知は書面で
本改正は令和4年10月1日に施行されました。ただし、支給内容の通知等については、当面、書面でなされます。
電子的な交付によるペーパーレス化は、次期システム更改(令和8年度を予定)において実現する方向で検討されます。
安全運転管理の整備
道路交通法の改正を受け、バス・タクシー事業が困難な地域で市町村やNPO法人等の団体が主体となって実施する「自家用有償旅客運送者」の安全運転管理に関する規定が整備されています。
(令和4・9・7国土交通省令第66号=道路運送法施行規則及び自動車事故報告規則の一部を改正する省令)
健康保険関連の様式の見直し
産前産後休業期間中の被保険者に係る保険料の徴収の特例の申出に係る申出書において子の氏名の記載を不要とするなど、健康保険関連の届出書の記載事項・様式が見直されています。
(令和4・9・13厚生労働省令第129号=健康保険法施行規則等の一部を改正する省令)
林地開発の規制強化
林地開発許可制度による許可を要する開発行為の区分と規模が見直され、太陽光発電設備の設置を目的とする場合の基準が0.5haに引き下げられました。施行日は、令和5年4月1日です。
(令和4・9・22政令第313号=森林法施行令の一部を改正する政令)
標準報酬の算定方法の調整
厚生年金の短時間労働者への適用拡大によって、年金額改定率等の指標となる標準報酬平均額が下がります。その影響を補正するための標準報酬平均額の算定方法に関する経過措置を実施するための関係省令の整備が行なわれています。
(令和4・9・22厚生労働省令第134号=厚生年金保険法施行規則及び公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置に関する省令の一部を改正する省令)