改正道路交通法が成立・公布されました。その主な内容は、次のとおりです。
特定自動運行に係る許可制度の創設に関する規定の整備
運転者がいない状態で一定の基準を満たす自動運行装置を使用して自動車を運行することを「特定自動運行」と定義します。
特定自動運行を行なおうとする者は、特定自動運行計画等を記載した申請書を管轄の都道府県公安委員会に提出し許可を受けることが義務付けられます。
この改正によって、レベル4(操縦の主体がシステムであり、システムがすべての動的運転タスクおよび作動継続が困難な場合への応答を限定領域において実行するもの)の自動運転車の公道走行が認められるようになります。
特定小型原動機付自転車および遠隔操作型小型車の交通方法等に関する規定の整備
原動機付自転車のうち、車体の大きさ・構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるおそれがないなど一定の基準に該当するものを「特定小型原動機付自転車」と定義し、その交通方法等に関する規定を整備します。
いわゆる、電動キックボードの公道走行に関するルール整備です。
また、自動配送ロボットの公道走行を想定したルール整備も行なわれています。遠隔操作によって通行させることが可能な原動機を用いる小型の車を「遠隔操作型小型車」と定義し、その交通方法等に関する規定を整備するとともに、その使用者に管轄の都道府県公安委員会に届出をすることを義務付けます。
特定免許情報の個人番号カードへの記録に関する規定の整備
運転免許証とマイナンバーカードの一体化についての規定整備も行なわれます。
運転免許を現に受け当該運転免許について運転免許証のみを有するもの等は、いつでも、その者の個人番号カードの区分部分に運転免許に係る一定の情報(特定免許情報)の記録を申請できるようになります。
特定免許情報が記録された個人番号カードは、運転免許証の携帯・提示義務に係る規定の適用について運転免許証とみなされます。
施行期日については、マイナンバーカードに関する規定は公布の日から3年を超えない範囲内、そのほか一部の規定を除いて公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定められます。
その他の新法令・通達
公務員の育休取得推進
育休の2回取得を可能にするなど、公務員の育休取得を促す関連法の改正が行なわれています。
(令和4・4・13法律第19号=国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律 ほか)
文化を担う施設の支援
博物館に求められる役割が多様化するなか、登録博物館の登録要件を見直し、税制上の優遇措置等で活性化を図る改正が行なわれました。
(令和4・4・15法律第24号=博物館法の一部を改正する法律)
貿易リスクへの対応
貿易保険の補填事由を感染症を含む非常リスクに拡大するなど、日本企業が国際的な事業展開を安定的に行なえる環境を整備するため、貿易保険法が見直されました。
(令和4・4・15法律第25号=貿易保険法の一部を改正する法律)
技能実習の対象拡大
外国人の技能実習制度の移行対象職種に「鉄道車両整備」が追加されました。
(令和4・4・25法務省・厚生労働省令第1号=外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則の一部を改正する省令)
旅券申請手続きのオンライン化
パスポートの発給申請手続き等の電子化を進めるにあたって、必要な事項等を定める規定が整備されています。
(令和4・4・27法律第33号=旅券法の一部を改正する法律)