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新法令・通達解説―平成29年5月12日までの発表・公布・施行分

空き家の活用促進を図る住宅セーフティネット法改正

[ 2017年6月号 月刊「企業実務」編集部 ]

平成29・4・26法律第24号=住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律ほか

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 わが国では、高齢単身者が今後10年で100万人増加することが見込まれ、若年層の収入はピーク時から1割減少しているなど、安心して暮らせる住宅の確保を可能とするセーフティネット機能の強化が重要な政策課題となっています。

 一方で、空き家の数も増え続けており、これらの有効活用も課題の1つとなっています。

 こうした状況を受けて、増え続ける空き家を活用し、単身の高齢者や所得の低い子育て世帯らの住宅確保を支援するため、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律」(住宅セーフティネット法)が改正されました。

 主な改正内容は、次のとおりです。

(1)地方公共団体による空き家の供給促進計画の策定

 国の既存の基本方針に加え、地域の住宅事情に応じて、地方公共団体が登録住宅等に関する供給促進計画を策定することとされました。

(2)空き家登録制度の創設

 高齢者、子育て世帯、低額所得者、障害者、被災者など、住宅の確保に特に配慮を要する者(住宅確保要配慮者)の入居を拒まないことなどを条件とし、都道府県が登録物件の情報を入居希望者らに広く周知する空き家の登録制度が創設されました。同制度では、空き家の所有者が賃貸住宅として都道府県などに届け出る仕組みが整備されます。

 高齢者等が暮らしやすいよう、耐震改修やバリアフリー化を行なうことを想定し、住宅金融支援機構から融資を受けられるなどの措置も講じられます。

 国土交通省は今秋にも運用を始め、2020年度までに17万5、000戸の登録を目指すとしています。

(3)入居円滑化のための措置

 都道府県は「居住支援法人」(NPO等)を指定し、同法人による登録住宅の情報提供、入居相談その他の援助を行なうこととなりました。

 また、適正に家賃債務保証を行なう業者について情報提供を行なうとともに、住宅金融支援機構による保険の引受けを可能とします。

その他の新法令・通達

子ども・子育て拠出金率の引上げ

 平成29年度の子ども・子育て拠出金について、前年度に引き続き企業が負担する拠出金率が引き上げられ、0・23%(+0・03%)となりました。
(平成29・3・31政令第95号=子ども・子育て支援法施行令の一部を改正する政令)

外国人実習生の報酬を明文化

 外国人技能実習生の適切な待遇を確保するため、企業による受入れ計画の認定手続きを定める技能実習適正化法の関係政省令が改正されました。

 認定を申請する企業は、実習の運用を監視する認可法人「外国人技能実習機構」に対し、適切な報酬を支払うことを書面で示すことなどが求められることとなります。
(平成29・4・7政令第136号=外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行令、ほか)

原発検査に抜打ち方式を導入

 原子力発電所の検査制度において、原子力規制庁の検査官が原発に自由に立ち入ることができる抜打ち方式が導入されることとなりました。
(平成29・4・14法律第15号=原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律)

災害時協力の対象船が拡大

 日本の船主の海外子会社が保有する外国船のうち認定を受けた船に対して、大規模災害時に国が物資や人員輸送への協力を命令できるようになります。
(平成29・4・21法律第21号=海上運送法及び船員法の一部を改正する法律)

公園の活用を推進

 待機児童問題解消のため、公園を管理する自治体の認可を条件に、全国の公園に保育所を設置することが可能になります。

 また、レストランや売店などの店舗について、設置を許可する期間が、現行の10年から20年に延長されます。

 さらに、地域住民やNPOが空き地を借りて公園として整備する際、管理計画を定めて自治体の認定を受ければ、補助金や税制優遇等の支援が受けられるようになります。
(平成29・5・12法律第26号=都市緑地法等の一部を改正する法律)

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