―― 秋に黄色く紅葉するイチョウは、古くから神社や寺院などに植えられたが、民家に植えることは忌み嫌われた。その理由はイチョウが神聖な樹木だからと思われる。
古木になると幹に瘤のようなものができる。この瘤は気根といって、これを削って飲むと乳の出がよくなる(神奈川県川崎市影向寺)という伝説が全国各地にある。
耐火力の強さと銀杏(ぎんなん)の豆を多くつけるので、中世武家館跡や山城跡にはイチョウの巨木が残る。防火と籠城時の食料として植えたものである。
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風景を読む“知的”散歩術のススメ 第6回
[ 古川愛哲<ふるかわ・あいてつ>(フリーライター)]
古寺社や古跡の樹木も無意味に植えられているわけではない。それぞれ樹木には、漢文化由来の意味がある。樹木がしめす意味や象徴を考えて風景を見直すと、また新しい発見があるにちがいない。
古木になると幹に瘤のようなものができる。この瘤は気根といって、これを削って飲むと乳の出がよくなる(神奈川県川崎市影向寺)という伝説が全国各地にある。
耐火力の強さと銀杏(ぎんなん)の豆を多くつけるので、中世武家館跡や山城跡にはイチョウの巨木が残る。防火と籠城時の食料として植えたものである。
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