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風景を読む“知的”散歩術のススメ 第11回

関東地方にも「キリシタン遺跡」がいっぱい!?

[ 古川愛哲<ふるかわ・あいてつ>(フリーライター)]

風景は書物であり、読むものである——ふだん何気なく歩いている場所も、じつは情報に溢れている。ありきたりの風景には、豊かな歴史や人間ドラマが隠れているのだ。

キリシタン遺跡など近畿地方より西だけにあるとお思いの方が多い。ところが徳川家康が江戸に入ってから、荒れ果てた関東地方を開拓・開墾した人々は、取締りの厳しい西国から逃げて来たキリシタンや隠れキリシタンの人が多い。そこで注意して見ると、キリシタン遺跡も発見できる。

  • キリシタン遺跡
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―― キリシタン遺跡など近畿地方より西だけにあるとお思いの方が多い。ところが徳川家康が江戸に入ってから、荒れ果てた関東地方を開拓・開墾した人々は、取締りの厳しい西国から逃げて来たキリシタンや隠れキリシタンの人が多い。

 そこで注意して見ると、キリシタン遺跡も発見できる。

 路傍の「お地蔵さん」も「ジーゾーズ(クライストは略)」と称して、合わせた両手の線に横棒を彫り、十字架を表わしているものや十字架を露出させたものまである。

 また、「お不動さん」の手にする剣が長い十字架状だったり、「如意輪観音」の手にする杖の中に十字紋が隠されていたり、墓碑の文字に斜線を彫り込み「+」のマークになるように工夫したものもある。

 ポイントは、墓石や地蔵の台座に仏式ならあるはずの蓮華の有無である。

▼連載「風景を読む“知的”散歩術のススメ」
著者 : 古川愛哲<ふるかわ・あいてつ>(フリーライター) 1949年、神奈川県に生まれる。日本大学芸術学部映画学科で映画理論を専攻。放送作家を経て、『やじうま大百科』(角川文庫)で雑学家に。「万年書生」と称し、東西の歴史や民俗学をはじめとする人文科学から科学技術史まで、幅広い好奇心を持ちながら「人間とは何か」を追求。著書に『「散歩学」のすすめ』(中公新書クラレ)、『江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実』(講談社プラスα新書)などがある。
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