――周知のように日本の神社仏閣は、明治時代になるまでは神仏習合があたりまえだった。神社があれば、それを鎮護する神宮寺があり、寺院があれば鎮守社があった。それで寺院なのに鳥居があったりする。
鳥居の柱の3分の1は地面の中に埋まっているのだが、これは秘伝だったので現実には掘らなければわからない。鳥居そのものが宮大工の秘伝で、その構造は謎だらけになった。聖域の門であることはわかるが、その形がわからない。
古書によれば、
「柱の向かって左側が「本柱」で少し太い。この本柱を男柱とも呼んで、向かって右側は女柱。男女の柱が笠木でつながり、男柱(陽)と女柱(陰)の陰陽合体を意味している」
とある。
「ホント?」と疑問を抱く人は、散歩の途中で左右の柱の太さを図ってみるといい。今では忘れられている秘伝なので、左右同じものも多いが、古式通りのものも関東大震災の後でも再建されている。