SNSの種類を把握し使い分ける
広報の位置づけが強い企業PRが目的の場合の使い分け方の例を示したのが 図表4 です。
Facebookの場合、担当者は個人アカウントでログインしますが、企業はFacebookページというブログのような領域の部分で情報発信します。個人アカウントを利用するのは、基本的にFacebookは個人で使うSNSであり、個人が明確でないとアカウントが取りにくいからです。
個人アカウントで管理するといっても、Facebookページには管理者を複数追加できます。そこで、複数の担当者で会社のFacebookページを管理したほうがよい、という理由もあります。
Facebookページの情報をGoogle+で発信してもよいでしょう。そして連携アプリを使ってTwitterのビジネスアカウントにツイートするように設定します。Twitterを利用する理由は、検索にヒットしやすく、分析測定するためのツールが多いからです。
動画情報がある場合は、Googleのアカウントを使ってYouTubeで動画を登録し、その共有URLをFacebookにも紹介します。
企業用のホームページやブログでは、利用しているSNSのアカウントを紹介します。なりすまし運営されてもすぐに偽アカウントだとわかるようにするためです。
運用ガイドラインの重要性を社内にも意識づける
SNS運営のために、やるべきことややってはいけないことがあります。特に問題なのは、やってはいけないことをしてしまうことです。あらかじめ、やってはいけないことを企業のSNS運営のガイドラインとして定めておき、自らが遵守するのはもちろん、社員にも周知して意識づけることが求められます。
社員に意識づけたいガイドラインの一例が 図表5 です。それぞれの事情にあわせて加筆修正して利用してください。
このほか、IBM社が公開している「IBMソーシャル・コンピューティングのガイドライン」が参考になります。
PR等の効果測定はむずかしいと認識する
ネット通販の効果測定なら、売上やCVR(コンバージョン・レート=訪問者100名のうち何名が購入に至ったかという率)などのわかりやすい指標がありますが、目的がPRやブランディングの場合、効果測定には決定的な指標がありません。
そこで、目標数値として売上額以外の数値指標を決めておく必要があります。そのような数値指標をKPI(キー・パフォーマンス・インジケータ)といいます。
KPIは、目的達成のための必要なプロセスにおける重要な指標という意味で、数値で表わすことができるものを使います。「リーチ数」「ファン数」「いいね!の数」(Facebook)、「リツイート数」「フォロワー数」(Twitter)などをKPIとする例が多いようです。
また、SNSは感情が現われやすい媒体ですから、定量的な数値だけでなく、定性的な側面に注意を払わなければなりません。
SNSの調査や分析サービスを提供する会社もいろいろとありますが、意外に高額だったりします。
そこで、まずは無料のツールやWEBサービスで効果測定ができないかも検討してみましょう。
たとえばExcel2013には、無料で使えるアプリとして「Twitter分析アプリ」が用意されています。
このアプリを使うと、Twitter上で飛び交っているやりとりからキーワードを抽出して、そのキーワードでどれくらいのツイートがあるかを瞬時に表示できます。データをもとにExcelグラフを作成したり、一覧表を作成したりして、分析資料を“見える化”することも容易です。
このようなツールを使うことで「お気に入りに入れた数」「好意的な発言の数」などのKPIとして設定することも可能です。
SNS活用に長けている企業としてANA、JAL、コカ・コーラ、無印良品、ユニクロ、セブン-イレブン、ローソン、NHKなどが挙げられます。これらのサイトは検索で簡単にヒットしますので参考にするとよいでしょう。