売掛金の管理・回収の徹底
年度後半に向けて、与信限度枠の見直し、信用状態のチェックなど、得意先の与信管理を徹底しましょう。
なお、帝国データバンクの調査によると、2016年度の倒産件数は8153件で8年連続の減少となりました。一方で、2016年の休廃業・解散件数は、倒産件数の3倍を超え、2万4957件にのぼるなど、中小・零細企業を中心に、後継者難や代表の高齢化が深刻化しています。
得意先や親会社との取引条件の見直し・交渉
大手取引先や親会社から、納入価格の引下げや納期短縮、取引条件の不利な変更などを突然求められることがあります。そうした要請にどう対処し、どこまで応じるのかなど、あらかじめ対応を検討しておく必要があります。
16ページの特別記事では、昨年12月に13年ぶりに改正された下請法運用基準のポイントと取引先との交渉術について紹介しています。
夏季休暇前後の事務
夏季休暇を実施する企業では、その前後の事務や連絡をミスやモレのないように行ないましょう。
たとえば、休暇前の業務としては、取引先などへの対外的な挨拶や連絡、休暇中の連絡先の整備などがあります。また、休暇後には、郵便物の関係部署への速やかな配付、社員の勤怠管理の徹底といった業務があります。
最近は、各担当者の取引先の休暇日程にあわせるなど、何パターンかに分けて個人ごとに夏季休暇を設定するケースも増えています。社内連絡などに支障が生じないよう注意しましょう。
建物・設備などの点検・修理
業種や業態にもよりますが、8月は、どちらかというと閑散期にあたる企業が少なくないと思います。
そうした企業では、緊急性はないものの、ふだんなかなか手をつけられずに気になっていたことに着手するのもよいでしょう。
たとえば、繁忙期には後回しになりがちな業務として、建物や設備などの点検・修理があります。不具合があれば、業者などに連絡し、修理や交換の手配を行ないます。
夏季休暇前の大掃除の実施
夏季休暇の前に、大掃除を行なう企業は多いようです。
「書類等の保存と破棄の基準を決めているか」「ゴミの分別方法は周知したか」「掃除道具は揃っているか」「廃棄物処理業者への手配は済んでいるか」など、やるべきことを1つずつ確認しながら手配を進めます。
68ページでは、給湯室の大掃除にスポットを当て、手軽にできる掃除テクニックを紹介しています。
台風等の災害対策
8月から9月にかけては台風シーズンで風水害が多発する時期です。その対策は万全か、次のポイントを点検しておきましょう。
①オフィス・工場での商品・設備の水濡れ防止対策
②緊急時の行動基準の明確化と周知徹底(機械の運転停止、火気の始末、避難場所の指定など)
③非常用医薬品の常備
④緊急時の持出し重要書類などの表示と区分保管の徹底
⑤緊急連絡網・体制の整備
防犯体制の点検・整備
オフィス荒らしや放火などに遭うと、金銭的な被害だけでなく、最悪の場合、社員の生命が脅かされる危険があります。防犯設備等の点検・整備を進めるとともに、日頃から防犯意識を高め、非常時の対応を想定しておきたいものです。
昨今は、インターネットやスマートフォン等の携帯端末から遠隔操作できる監視カメラやセキュリティシステムもあります。
防犯に関する情報を収集し、体制づくりに役立てましょう。
中元・暑中見舞状の後処理
中元や暑中見舞状をいただいた場合は、礼状を速やかに返信します。立秋(ことしは8月7日)からは「残暑見舞い」となるので注意しましょう。
あわせて贈答記録や顧客名簿と照合し、必要に応じて情報の追加・訂正を行ないます。
衣更えの準備
10月から衣更えを予定している企業は、作業服や事務服などの必要枚数を確認し、対象者の採寸などの準備に取りかかりましょう。
男女雇用機会均等法への配慮や経費削減のため、女性社員の制服を廃止する企業もあります。コストと労務管理の両面から、制服の必要性そのものについて検討することも大切です。