基本は「契約期間満了で退職」
スムーズに転職をするには、現在の職場を円満退職することは必須条件です。そのためには、退職時のルールをあらかじめ確認しておきましょう。
本連載の第1回(正しく知ろう! 「正社員」「契約社員」「派遣社員」の違い)でも説明しましたが、派遣社員、契約社員は雇用契約期間に定めがあります。この契約の場合、会社側、社員側のどちらからも、よほどの事情がない限り、契約期間の途中での契約解除の申し出はできないことになっています(相手方の同意がある場合を除く)。
当たり前といえば当たり前ですが、退職時のトラブルを避けるには、まず第一に、契約期間満了のタイミングで退職をする(契約更新をしない)という選択をするのがベストです。
契約更新を希望しない場合は、いつまでに、誰に申し出ればよいのか、契約締結の際にあらかじめ確認をするようにしておきましょう。
契約社員の場合、雇用契約期間途中でも退職できるケースも
万が一、やむを得ない事情で契約期間の途中で退職せざるを得ない場合は、契約社員は勤務先の上司、派遣社員は派遣元の担当者に事前に相談をし、承諾を得るようにしましょう。
なお、契約社員として雇用契約を結ぶ場合、1回当たりの契約が1年を超える場合については、1年を超えた時点で契約期間の途中であっても、会社側に申し出をすることにより、いつでも退職することができます。
■1回の契約期間が1年を超えている場合(3年契約の例)
1年目 | 2年目 | 3年目 |
---|---|---|
やむを得ない事情がない限り、会社側からも契約社員側からも契約の解除はできない(民法628条) | 会社側…やむを得ない事情がない限り、契約の解除はできない(民法628条) 契約社員側…いつでも会社に契約の解除を申し出ることができる(労働基準法137条) |
会社側…やむを得ない事情がない限り、契約の解除はできない(民法628条) 契約社員側…いつでも会社に契約の解除を申し出ることができる(労働基準法137条) |
■1回の契約期間が1年以内で、更新を繰り返している場合
1年目 | 2年目 | 3年目 |
---|---|---|
やむを得ない事情がない限り、会社側からも契約社員側からも契約の解除はできない(民法628条) | やむを得ない事情がない限り、会社側からも契約社員側からも契約の解除はできない(民法628条) | やむを得ない事情がない限り、会社側からも契約社員側からも契約の解除はできない(民法628条) |
出典:『2015-2016「転職・退職」会社を辞める時の手続き完全ガイド』(日本実業出版社)
『2015-2016「転職・退職」
会社を辞めるときの手続き完全ガイド』
日本実業出版社 編
A4変型判/並製 価格 1,512円(税込)
ISBN 978-4-534-60315-9
他人には聞けない転職・退職時の各種手続きについて、雇用保険、健康保険、年金、税金のパートごとにわかりやすく解説。
◆章立て◆
[わかってしまえば意外にカンタン!]すっきり辞める手続き一覧
[タイプ別・あなたはこうすればいい!]退職前後の手続きフローチャート
[これで安心!]あなたの疑問にズバリ答えるQ&A
PART1 [記載例つき!退職前後の手続き]雇用保険をしっかりもらおう
PART2 健康保険にカシコく入るコツ
PART3 年金で万一のときにも備えよう
PART4 税金を払い過ぎたら取り戻そう
特別記事 転職・退職のテクニック