年度後半に向けての資金繰り対策の確認
8月は夏休みや旧盆などの影響もあり、一般には営業活動は低調な時期です。ただし、ことしは新型コロナウイルスの影響もあり、年度前半の落ち込みを早急にカバーしたいとの意向も働きます。
夏物商戦の仕入代金の決済時期に当たるなど、支出は例月並み以上になることが多いため、資金繰りがタイトになりがちです。
どこから、いつ、いくらの入金があるかをしっかり確認して、資金繰り計画を立てる必要があります。
なお、3月決算の企業では10月から年度後半に入ります。下期の売上・利益計画、資金計画の進捗状況や計画との乖離をチェックし、早めに対策を練りたいところです。
12月決算法人の中間申告と納税
8月は、12月決算法人の中間申告・納税月です(申告期限は8月31日)。
中間申告には、前年度の確定法人税額の2分の1を納税する「予定申告」と、期首から6か月間(上半期)の利益・損失に基づいて納税額を計算する「仮決算」の2つの方法があります。
どちらを選ぶかは企業に委ねられていますが、一般的には、上半期の実績が前年同期と同様であれば予定申告を、著しく悪化している場合は仮決算を選ぶようです。
事務負担なども考慮して自社に適した方法を選びましょう(ただし、納税額によっては、予定申告に限定される場合もあります)。
なお、中間申告書の提出がなく、その提出期限に提出があったとみなされた後でも、新型コロナウイルスを理由とする提出期限の延長は可能とされています。ただし、この期限延長がなされるまでは督促状が発送される場合があることから、納税者が不安を抱くことが懸念されます。
そこで国税庁では、「中間申告書の提出期限の延長に関するお知らせ」の案内文を、すでに中間申告期限が到来している納税者には督促状の送付前に個別に送付するとともに、6月以降に中間申告期限が到来する納税者には中間申告書に同封するとしています。
夏祭りへの寄附などの処理
ことしは新型コロナウイルスの影響もありますが、例年どおりであれば8月は、各地で夏祭りや納涼イベントが催されます。地域密着型の企業では参加する機会もあるでしょう。
会社が提供する社名入りのうちわやタオル、手拭いなどは、原則として広告宣伝費となりますが、現金の寄附や人員の派遣などで生じる費用は、税務上の問題が起こりやすいので、注意が必要です。
たとえば、事業との関連性や支出の目的、供与のしかたなどによって、寄附金か交際費等かが区分されます。
税務調査への備え
確定申告の処理が一段落した7月は、税務署内で人事異動が行なわれます。それから業務の引継ぎ、調査法人の選定などを経て、本格的に税務調査に動き始めるため、毎年8月後半から11月は税務調査のピークを迎えます。
いつ税務調査が来ても問題ないよう、自社の処理を確認し、きちんと説明できるようにしておきましょう。