2017(平成29)年度個人住民税の特別徴収事務の確認
事業主は、すべての従業員の給与から個人住民税を特別徴収(給与天引き)により納める義務があります。
今年度の第1回目の納付期限(6月分)は7月10日です。納期に遅れると、納付するまでの日数に応じて延滞金が加算されますので注意してください。
年度途中で、新たに入社した従業員の個人住民税を普通徴収から特別徴収に切り替える場合は「特別徴収切替届出書」を、また、退職者が出た場合は「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を作成して市区町村に速やかに提出します。
従業員が退職し、再就職しなければ、翌月以降の徴収義務はなくなりますが、未徴収分は退職した時期により取扱いが変わるので留意しましょう。
また、退職者から「再就職先で特別徴収を継続したい」旨の申し出があった場合は「異動届出書」を新たな勤務先に回付することによって、特別徴収が引き継がれます。
納期の特例の承認を受けている場合の源泉徴収税額の納付
給与や退職金などから源泉徴収した所得税・復興特別所得税の納付期限は、原則として徴収日の翌月10日です。
ただし「従業員数が常時10人未満」の事業所は、手続きの負担を減らすため、年2回にまとめて納付できる「納期の特例」があります。
この特例の承認を受けている場合、1月〜6月分の源泉徴収税額をまとめて7月10日までに納付します。
固定資産税・都市計画税の第2期分の納付
7月は、地方税法に定められた固定資産税の第2期分の納付時期です。一括で全期分を納付していない場合には、納税通知書を確認して納付しましょう。
なお、特定の地域では都市計画税も納付します。納付期限は、市区町村の条例によって異なる場合もあるので注意してください。
夏物商戦への対応
夏物商戦が活発になる時期です。商品の仕入れや催事企画の増加、パート・アルバイトの臨時雇用など、例月にない資金需要が増えますので、売掛金の回収を強化し、資金繰りの再確認をしておきましょう。
28ページでは、売掛金が不良債権化する兆候を見逃さないためのチェックポイントを解説しています。
また、夏物商戦は、売上アップの好機である一方、売上除外の温床になりやすく、税務調査でも厳しくチェックされる傾向があります。
営業・販売部門には、バーゲンの仕切伝票や販促文書、店頭写真の保存などを徹底しておくことが大切です。
補助金・助成金の情報チェック
時限措置として設けられる国や自治体の補助金・助成金制度は、毎年度の予算成立を受けて7月ごろまでに各制度の骨子が固まります。
制度の数は3000種類以上ともいわれ、それぞれ募集期間や受給要件などは異なります。高年齢者や障害者を雇用するなど一定条件を満たした場合に申請によって受給できるものもあれば、技術支援や能力開発など目的別に設定された公募型タイプもあります。
「気づいたら募集が終わっていた」「準備期間が短くて間に合わない」とならないよう、自社に必要な補助金・助成金についての情報を収集し、申請スケジュールを立てておきましょう。
別冊付録では、今年度の助成金の受給・活用のしかたについてまとめました。ぜひ、参考にしてください。