10月から、いよいよ個人番号の通知カードが各世帯に送られてきます。それを前に、企業が整備しておくべきマイナンバーの収集・管理体制のポイントについて、最終確認をしておこうという趣旨で開催したのが本セミナーです。
すべての事業者に、適正な安全管理措置を講じる義務が!
今回の講師は、社会保険労務士法人和(なごみ)代表社員の岡野恵美子先生。大阪会場ではお馴染みの人気講師です。
いつもながらの丁寧な語り口で、中小企業がマイナンバー制度に対応する際のカンどころについて、わかりやすく解説してくださいました。
マイナンバー制度では、社員等の個人番号を扱う全事業者に対して、特定個人情報保護委員会が作成したガイドラインに沿って、特定個人情報を適正に取り扱うことが義務づけられています。
とはいっても、ガイドラインに例示されている施策をそのとおりに実行するのはとても無理だという中小企業は少なくありません。
しかし、従来の個人情報と大きく違うのは、特定個人情報を漏洩させた場合には、企業や事務取扱担当者が刑事罰を受ける可能性がある、という点です。
それだけに、ガイドラインに書かれている安全管理措置をどこまで忠実に実行しなければいけないのか、判断しかねている担当者は多いのではないでしょうか。
身の丈にあった安全管理措置を講じて運用状況を「記録」する
岡野先生は、
「ガイドラインに例示されている安全管理措置は、あくまでも例に過ぎません。大切なのは、企業が特定個人情報の漏洩リスクを認識した上で、そのリスクを軽減するために、自社にとって現実的な安全管理措置を確実に講じることです」
とおっしゃいます。
そして特に大事なのが、「記録を取ること」。
万が一にも漏洩事故が起きた時に、どの段階でどのようにして情報が漏れたのかを遡って確認できるように、個人番号の取得、保管、利用、提供、破棄のそれぞれの段階で運用記録を取ることの大切さを強調しておられました。
制度開始が目前に迫っていることもあり、多くの受講者の方が熱心にメモを取りながら、岡野先生の話に耳を傾けていました。
講師のご紹介
岡野 恵美子 氏
(社会保険労務士・社会保険労務士法人和(なごみ)代表社員)
卒業後、大手メーカーに勤務。昭和63年、岡野恵美子社労士事務所を開業し、病院をはじめ数多くの企業に人事労務サービスを提供する。平成15年、和(なごみ)合同事務所を設立の後、平成21年1月に法人格を有し、社会保険労務士法人和の代表社員となる。セミナー講師をはじめ、賃金総額管理や退職金制度の設計、人的資源管理等を中心に活動中。
■社会保険労務士法人 和 WEBサイト