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社員の転勤に伴う経理処理Q&A 第3回

Q:赴任先の社宅や寮に入居させる場合の注意点とは?

[ 齋藤 忠志<さいとう・ただし>(税理士・米国税理士(EA))]

7月は、4月入社の社員が試用期間を終えて、正式配属が決まるほか、人事異動も増える時期です。社員の転勤に伴って発生する様々な経理処理について解説します。

社宅や寮に入居するときの注意点
logo_a 社員が転勤して、その赴任先に会社所有の社宅や寮があり、そこに入居できる場合には、その社宅等の家賃相当額の 50 %以上を社員から徴収する必要があります。役員の場合は家賃相当額を徴収する必要があります。

 これは、一般社員の場合は家賃相当額の 50%、役員の場合は家賃相当額を徴収していれば、経済的利益を供与していないとして、給与にならないからです。

 このとき、家賃相当額は以下の通り計算して求めます。

家賃相当額の計算方法

(1)社員の住宅および役員の小規模住宅の場合、以下の金額の合計額

① その年度の建物の固定資産税の課税標準額×0.2%
② 12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3㎡)
③ その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

(2)役員の小規模住宅以外の自社所有の社宅の場合、以下の金額の合計額の1/12

① その年度の建物の固定資産税の課税標準額×12%
 (建物の耐用年数が30年超の場合は10%)
② その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6%

 なお、経済的利益の供与の有無の判定は、すべての社宅等の家賃相当額の合計と家賃徴収額の合計について行うことができます。

 これをプール計算といい、全体の社員のバランスを考慮した家賃設定が可能になる利点があります。

▼関連ページ
社員の転勤に伴う支出についての経理処理Q&A(月刊「企業実務」2015年7月号)
著者 : 齋藤 忠志<さいとう・ただし>(税理士・米国税理士(EA)) 齋藤税理士事務所代表。1965年生まれ。1989年、一橋大学卒業。総合電機メーカーなどで原価管理、決算、システム開発、国内税務、国際税務、連結納税プロジェクトなどを経験。2007年に税理士登録。2013年、Enrolled Agent(米国税理士)登録。モットーは、「Cool Head, Warm Heart」。著書に「よくわかる金融取引の経理実務」(日本実業出版社)など多数。
http://www.saito777.com/
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