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風景を読む“知的”散歩術のススメ 第7回

郵便局の数で実感する「村」の大きさ

[ 古川愛哲<ふるかわ・あいてつ>(フリーライター)]

ありふれた周囲の光景が実は中世の山城の跡だったりする。平地では郵便局の分布などからも村の規模というものが類推できる。散歩中に、どれだけの数のかつての村を通過することか。

東京も中山道は本郷以北、東海道は品川宿以南、甲州街道は新宿以西などは江戸府外の村である。城下町以外はすべて村なので、都心以外の平地は村を歩くことになる。散歩をしていて実感するのは、小さな郵便局(かつての特定郵便局)がやたら多いこと。明治の郵便制度を作るとき、村の庄屋が郵便局になったからである。そうした郵便局を2つ過ぎると、2つの村を通過したことになる。

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―― 東京も中山道は本郷以北、東海道は品川宿以南、甲州街道は新宿以西などは江戸府外の村である。城下町以外はすべて村なので、都心以外の平地は村を歩くことになる。

 散歩をしていて実感するのは、小さな郵便局(かつての特定郵便局)がやたら多いこと。明治の郵便制度を作るとき、村の庄屋が郵便局になったからである。

 そうした郵便局を2つ過ぎると、2つの村を通過したことになる。

 村の規模はどんなものだったのか。

 江戸の終わりに近い天保年間(1830〜44)の全国の村の数は 6 万 3,540 か村。平地の村なら広さは8町( 872 メートル)× 10 町( 1,090 メートル)にすぎない。

 これは全国に当てはまる。約1キロ、30 分も歩けば1つの村を通り過ぎてしまう。

 以前はその中に村の鎮守社があり、寺があり、庄屋がいた。庄屋は郵便局長になったが、鎮守社は合祀されて減った。

▼連載「風景を読む“知的”散歩術のススメ」
著者 : 古川愛哲<ふるかわ・あいてつ>(フリーライター) 1949年、神奈川県に生まれる。日本大学芸術学部映画学科で映画理論を専攻。放送作家を経て、『やじうま大百科』(角川文庫)で雑学家に。「万年書生」と称し、東西の歴史や民俗学をはじめとする人文科学から科学技術史まで、幅広い好奇心を持ちながら「人間とは何か」を追求。著書に『「散歩学」のすすめ』(中公新書クラレ)、『江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実』(講談社プラスα新書)などがある。
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