健保・厚年の標準報酬の切替え
7月に提出した「報酬月額算定基礎届」に基づく定時決定で、9月から健康保険・厚生年金保険の標準報酬が切り替わっています。
また、9月より一般被保険者の厚生年金保険料率が17.474%(改定前は17.12%)に引き上げられたことにも注意が必要です。
新標準報酬と改定後の料率による保険料は、原則として10月に支給する給与から徴収を開始しますので、手続きや金額などを改めて確認しましょう。
来年度の採用内定とそのフォロー
大学・短大等の来春新卒予定者に採用の内定を出すにあたっては、入社誓約書を同封して内定通知書を送り、記名した誓約書を返送してもらいます。また、内定者に対し、定期的な連絡、社内報の送付、懇親会の実施など積極的なフォローを行い、入社をより確実にする取り組みに努めましょう。
なお、内定辞退者が出た場合に備えて、欠員を補充できる体制(追加募集、採用試験の実施など)も整えておきたいところです。
社員の異動に伴う事務手続き
9月から10月は、春(3月~4月)に次いで社員の異動が多い時期です。
同一職場内であれば、特に法定の手続きはありませんが、住所地が変わる転勤や出向、扶養家族に変更があった場合は、社会保険関係の法定手続き、諸手当(通勤手当・住宅手当・家族手当など)の変更に関する事務などが発生します。貸与物品の返還や異動先への事務引き継ぎも必要です。
また、人事履歴をパソコンで管理している企業では、異動に伴うデータ更新も忘れずに行いましょう。
高年齢者の継続雇用への対応
昨年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行され、原則として65歳までの高年齢社員の希望者全員を継続雇用の対象とすることが義務づけられました。
厚生労働省は、毎年10月を「高年齢者雇用支援月間」と定め、さまざまな啓発活動を展開しています。
その一環として、各都道府県の「高齢・障害者雇用支援センター」では、先進企業の事例紹介、専門家による企業訪問や講演会、ワークショップなどを行っています。まだ制度整備ができていない企業は、こうした場を利用して情報収集し、対応を進めていくと良いでしょう。
全国労働衛生週間
10月1日から「全国労働衛生週間」がスタートします。過重労働による健康障害やメンタル面での不調を訴える労働者の増加傾向を受け、今年度のスローガンは「みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」です。この機会に、社員1人1人の健康管理意識を啓発するとともに、自社の安全衛生活動の見直しを進め、快適な職場環境づくりに努めましょう。
特に、この6月に改正された労働安全衛生法により、企業のメンタルヘルス対策として、労働者を対象とした医師などによる年1回のストレスチェックが義務化されました。以前にも増して、体系的な対応が求められることになります(平成27年12月までに施行予定。当分の間、社員数50人未満の事業場は努力義務)。
健康診断の実施
秋に健康診断を実施する事業所では、速やかに進められるよう、その要領について社員に周知徹底し、当日都合がつかない社員には別の受診日を設定し、受診漏れが発生しないように努めなければなりません。また、再検査などの診断結果が出た社員に対しては、確実な受診を促すことも大切です。
なお、健康診断個人票は5年の保存が義務づけられています。重要な個人情報なので、その管理にも気を配る必要があります。
冬季賞与の資料・情報の収集
冬季賞与を支給する予定の会社は、検討にあたっての資料・情報の収集を始めたい時期です。各種媒体のほか、商工会議所や同業組合、取引銀行の経営相談所などの資料・情報で、地域や業界の相場を調べておきましょう。
また、支給原資についても早めに確認し、売掛金の回収を強化するなど、資金確保の方法を検討しておきます。
年末商戦の人手の確保
毎年、パートやアルバイトの力を借りて、年末の繁忙期を乗り切っている会社も多いと思われます。厚生労働省が四半期ごとに実施している労働経済動向調査によれば、依然として、正社員等労働者、パートタイム労働者とも「不足」という状況が続いています(平成26年8月・労働者過不足判断指数)。
必要な人数を確保するには、早めの手配を心がけましょう。
延納を申請した場合の労働保険料第2期分の納付
労働保険の概算保険料は一括納付が原則ですが、年度更新の際に延納の申請をすることにより、3期に分割して納付できます。10月31日は、その第2期分の納付期限です。所轄の労働局から納付書が送られてきますので、内容を確認し、期日までに納付しましょう。
ちなみに、第3期分の納付期限は2015年1月末日です。
労働者死傷病(軽度)報告の提出
7月~9月の3カ月間に発生した業務中の軽度の事故や疾病により、社員が3日以下の休業をしたときは、10月31日までに労働者死傷病(軽度)報告を管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。
なお、4日以上の休業が発生した場合には、その都度労働基準監督署に報告しなければなりません。