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これからの法改正の動き

内部告発者を守る公益通報者保護法の見直しが佳境に

[ 2025年4月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 兵庫県知事をめぐる内部告発に関する問題などにより、公益通報者をいかに守るかについての議論が活発になっています。

 昨年末、消費者庁が設けた有識者による「公益通報者保護制度検討会」が報告書を公表しました。

 報告書では、公益通報者の保護や事業者の体制整備とその実効性に関し、引き続き課題が多く、国民の安心・安全を脅かすような不正の発生を防止し、我が国の企業が海外進出や投資などで悪影響を受けることがないよう、可能な限り早期に課題に対処し、制度の高度化を図る必要があるとしています。

 具体的には、
(1) 事業者における体制整備義務の履行の徹底や、実効性の向上を図ること
(2) 労働者等による公益通報を阻害する要因に適切に対処すること
(3) 公益通報を理由とする不利益な取扱いを抑止し、救済措置を強化すること
(4) 公益通報の実施状況や不利益な取扱いの実態にあわせて、通報主体の範囲を拡大すること
等が考えられるとしています。

不当解雇等への刑事罰を導入

 この報告書を受け、政府がまとめた公益通報者保護法改正案の骨子について、自民党は大筋で了承しました。骨子にまとめられた改正の概要は次のとおりです。

・ 公益通報を理由に解雇や懲戒処分を行なった事業者等に対して、刑事罰を導入
・ 事業者に対しては3,000万円以下の罰金、個人に対しては6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金を科す
・ 通報に対処する従事者の指定義務を怠った事業者に対して、国が立入検査をできる権限を創設する。是正命令に従わない場合などに対しては刑事罰を導入
・ 通報者を特定する行為を原則禁止する

 政府はこの骨子をもとに改正法案を作成し、今期通常国会での改正を目指しています。

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