労働基準関係法制研究会が、報告書のとりまとめに向けた「議論のたたき台」を示しています。
原則的な制度をシンプルかつ実効性のあるかたちで
総論として、多様化する働き方に対応すべく法整備が進むと、複雑でわかりづらい法制となっていくことから、保護が必要な場面においてはしっかりと労働者を保護することを前提に、原則的な制度をシンプルかつ実効性のあるかたちで法令において定め、さらに一定の範囲内で個別の企業、事業場、労働者の実情に合わせて調整が可能なものとしていくという考え方を持つことが、今後の検討に当たって求められるとしています。
このような仕組みが有効に、弊害なく機能するためには、現場の労使の良質なコミュニケーションが必要だと打ち出しています。
そして検討の柱として、次の4つの論点を示しています。
(1) 労働基準法における「労働者」について
(2) 労働基準法における「事業」について
(3) 労使コミュニケーションの在り方について
(4) 労働時間法制の具体的課題について
多様な働き方が広がるなか、労働組合のない職場も多い一方で、過半数代表者には、選出方法や役割・交渉力などに課題があることなどから、その改善が必要と考えられると指摘しています。
「過半数代表者」の機能強化
ここで提案されているのが、「過半数代表者」の機能強化です。
まずは労働基準法において、過半数代表、過半数労働組合、過半数代表者の法律上の位置付け、役割、過半数代表者に対する使用者からの関与や支援を明確にする規定を設ける法改正を行なうことが必要と考えられるとしています。
労使委員会の規定についても同様に検討の対象となり得るとの意見があったとしています。
目指すべき姿として、まずは過半数代表の改善策を実施し、その状況を把握しながら、労使コミュニケーションの在り方について議論を深めていくべきとしており、今後、具体的な検討が進みそうです。