算用数字がきれいに書ける4つのポイント
算用(アラビア)数字は、0から9まで10種類しかありません。しかし、シンプルな故に書き方にクセがあると目立ちます。
試しに、いつもの書き方で数字を書いてみてください。
「3」が「ろ」のようだったり、「5」が「S」のように見えはしないでしょうか。
読みにくい文字は間違いの元です。見積書や発注書など対外的な書類であれば、大きなトラブルにつながりかねません。
そうしたミスを防ぐためにも、数字は正しく、きれいに書くことが大切です。
数字を正しく書くためのポイントは、次に掲げる4つです。
1 正しい書き順で書く
自己流になりやすいのは「0」「4」「5」「7」「9」あたりです。
活字と違い、「4」の上部は空けて、横棒をしっかり突き出します。
また、「7」は1画で書くと1と混同されやすいので、左上に小さくカギをつけて2画で書きます。
ただし、この書き順や数字の形は万国共通ではなく、国や地域によって微妙に異なります。
たとえば、もっとも違いが現われるのが「7」でしょう。
欧米の多くでは最初の短いカギはつけず、「7」の長い縦棒に短い横棒を入れます。ですが、この書き方は日本の金融機関や公的な書類では認められていません。
2 数字の形を意識する
基本となる書き方には、「直立体(正体)」と「斜体」があります。
直立体はわかりやすさを重視した書き方で、垂直・水平を基準に形を整えます。
きれいに書くコツは、一つひとつの数字の形を意識し、書き分けることです。
とくに、各種申請書や調査票などに使われるOCRシート(光学式読み取り文書)は、表記が曖昧だと機械が読み取ってくれません。
「0と6」「1と7」「7と9」の区別がつかなくなる場合がありますので、注意しましょう。
●OCRシート(光学式読み取り文書)の場合
3 傾きや高さを揃える
一方、斜体は垂直線(中心線)を15度くらい傾ける書き方です。アルファベットの筆記体に準じており、早く書けるメリットがあります。
金融機関などでよく使われるため、「銀行数字」「そろばん数字」ともいわれます。
直立体と違うのは、「1」の上部にカギがつき、「2」の下部は丸く結ぶことです。
また「8」は逆S字で、右上から入り、下の丸を先に書きます。
きれいに書くには、数字の大きさ、間隔、傾き、上下の高さを揃えます。
字を書くことが苦手な人も、この点に気を配ると、均整のとれた字になります。
4 余白や罫線の幅を意識
帳簿や伝票に数字を書く場合は、記入欄の下部ラインに合わせ、上部を3分の1程度空けるようにしてください。数字が多くならんでもスッキリ見え、間違いがあっても訂正しやすくなります。
ちなみに帳簿で訂正する場合は、赤の二重線で消して訂正印を押します。一部だけ訂正したり、修正液で消したりしてはいけません。
(月刊「企業実務」2015年5月号より)