相互扶助の精神に基づいて、新技術・製品開発、市場開拓、共同生産・販売等の事業を共同で行なうことにより、事業者の新事業展開、経営革新、経営効率化を図るための組合が事業協同組合です。
中小企業経営の近代化・合理化と取引条件の改善を図ることを目的とした組合で、4人以上の中小事業者が発起人となって設立することができます。
事業協同組合が組合員の事業を支援する共同事業を行なう場合、補助金等の公的な支援が受けられたり、法人税の軽減税率が適用されたりするなどのメリットがあります。
これまでは主に同業種の中小事業者が集まっての共同生産、研究開発、市場開拓といった活動に利用されてきました。
加えて最近は異業種のネットワークによる新事業の開拓といった動きもみられます。
地方への権限移譲
一昨年に閣議決定された「平成30年の地方からの提案等に関する対応方針」において、二以上の都道府県の区域にわたる事業協同組合等および協業組合等であって経済産業局並びに地方整備局および地方運輸局長へ委任している組合等の認可等に係る権限に属する事務等について、都道府県に移譲するという方針が示されました。
これを受けて、「中小企業等協同組合法施行令及び中小企業団体の組織に関する法律施行令」について、所要の改正が行なわれました。
今回の改正の概要は、次のとおりです。
・二以上の都道府県の区域にわたる組合等(全国を地区とするものを除く)の設立認可等に関する経済産業局長または地方整備局長もしくは地方運輸局長に委任された権限に属する事務を都道府県知事に移譲する
・二以上の都道府県の区域にわたる特定共済組合および特定共済組合連合会等(全国を地区とするものを除く)の経営の健全性を判断するための基準の策定に関する経済産業大臣および国土交通大臣の権限に属する事務を都道府県知事に移譲する
本政令は令和2年10月1日に施行されました。
その他の新法令・通達
改正経営承継円滑化法が10月1日施行に
中小企業が円滑な事業承継を行なうための支援策として成立した「改正経営承継円滑化法」の施行期日が、令和2年10月1日とされました。
(令和2・9・16政令第285号=中小企業の事業承継の促進のための中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令)
確定拠出年金についての中小企業の範囲拡大
確定拠出年金における中小企業向け制度の対象範囲の拡大等についての施行日が、令和2年10月1日となりました。
(令和2・9・16政令第293号=年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令)
経営承継円滑化法改正に伴う助成金についての規定整備
経営承継円滑化法の改正に伴い、人材開発支援助成金に関する労働省令の規定が整備されました。
(令和2・9・24厚生労働省令第159号=雇用保険法施行規則の一部を改正する省令)
国際基準導入による道路運送車両の保安基準改正
二輪自動車用灯火器についての国際基準導入等をふまえて、道路運送車両の保安基準改正が行なわれています。
(令和2・9・25国土交通省令第78号=道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令)
休業支援金の対象期間を延長
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の対象期間が4月〜9月から4月〜12月に延長され、申請期限も延長・簡素化されています。
(令和2・9・30厚生労働省令第168号=新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令)