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これからの法改正の動き

デジタルプラットフォームの透明性等を高める新法を整備

[ 2020年4月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 近年、オンライン・ショッピング・モールや配信サービスなど、インターネットを介した様々なビジネスのプラットフォームを提供する巨大なIT事業者が重要な役割を果たすようになりました。

 一方で、規約の変更や取引拒絶の理由が示されないなど取引の透明性が低いことや、取引先の意見に対する手続きや体制が不十分であるといった問題があり、公正な競争を阻害する行為の要因にもなっていると指摘されています。

 そうした状況をふまえ、取引の透明性・公正性の向上を目的とする新法が閣議決定され、通常国会に提出されることとなりました。

 この法案の名称は「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」です。

 そのポイントについてみていきましょう。

DPFの定義

 この法律の対象となるデジタルプラットフォーム(DPF)について、次の要件で捉えることとしています。

①デジタル技術を用い、商品等提供利用者と一般利用者とをつなぐ場(多面市場)を提供すること

②インターネットを通じ提供していること

③ネットワーク効果(商品等提供利用者・一般利用者の増加が互いの便益を増進させ、双方の数がさらに増加する関係等)を利用したサービスであること

 このうち、特に取引の透明性・公正性を高める必要性の高いものを「特定デジタルプラットフォーム(特定DPF)」として政令で指定し、国内外の別を問わずその提供者を以下の規律の対象とします。

特定DPF提供者に対する措置

①取引条件等の情報の開示

 特定DPF提供者に、利用者に対する契約条件の開示や変更時の事前通知等を義務づけます。

 開示がなされない場合は勧告・公表の行政措置がとられます。

②自主的な手続き・体制の整備

 経済産業大臣が定める指針をふまえて手続き・体制の整備を行なうとします。

③運営状況の報告と評価

 特定DPF提供者は、①②の状況とその自己評価を付した報告書を経済産業大臣に対して毎年度提出します。経済産業大臣は報告書に基づき運営状況の評価を行ない、その評価結果を公表します。

公正取引委員会との連携

 独占禁止法違反のおそれがあると認められる事案を把握した場合には、公正取引委員会に対処を要請する仕組みを設けます。

 なお、規律の対象となる特定DPFは、政令で定められます。

 当面は、各種調査で取引実態が明らかになっている大規模なオンラインモール、アプリストアが想定されています。

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