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令和元年6月3日までの公布分

行政手続きを原則、電子申請に統一

[ 2019年7月号 月刊「企業実務」編集部 ]

令和元年・5・31法律第16号=情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律 ほか

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 国内における行政手続きは、2016年度時点で、住民票や児童手当の申請など約4万6,000種類あるとされていますが、そのなかで、電子化がなされているものは1割強に過ぎません。

 そこで政府は、情報通信技術を活用し、行政手続き等の利便性の向上や行政運営の簡素化・効率化を図るため、「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(行政手続オンライン化法)」等の一部を改正しました。

 その主な内容は、次のとおりです。

行政のデジタル化に関する基本原則等

 情報通信技術を活用した行政の推進の基本原則として、次の3つが掲げられました。

①デジタルファースト

 個々の手続き・サービスが一貫してデジタルで完結すること。

②ワンスオンリー

 1度提出した情報は、2度提出することを不要とすること。

③コネクテッド・ワンストップ

 民間サービスを含め、複数の手続き・サービスを一括(ワンストップ)で実現すること。

本人確認情報の保存および提供の範囲の拡大

 国外転出者の本人確認情報の公証のため、戸籍の附票の記載事項の追加や、記載された本人確認情報の保存・提供を行なうこととされました。

 また、個人の識別・認証を、将来にわたり国内外問わず実現するため、住民票等の除票を除票簿として保存すること、安全確保措置等を行なうこととされました。

公的個人認証(電子証明書)・個人番号カードの利用者・利用方法の拡大

 国外転出者による公的個人認証(電子証明書)や、個人番号カード(マイナンバーカード)を活用したオンライン手続き・本人確認が実現されることとなりました。

 また、利用者証明用電子証明書の利用方法の拡大(暗証番号入力を要しない方式)や、通知カードを廃止して、個人番号カードへの移行を拡大することとされました。

個人番号利用事務および情報連携対象の拡大

 社会保障分野の事務の処理のために、情報連携の対象の事務や情報を追加し、行政手続きにおける関係書類の提出の省略や行政事務の効率化が図られることとされました。

その他の新法令・通達

特許権侵害の際の査証制度を創設

 特許権の侵害の可能性がある場合に、中立な技術専門家が現地調査を行なう査証制度が創設され、特許権侵害の際の損害賠償額の算定方法が見直されることとなりました。
(令和元・5・17法律第3号=特許法等の一部を改正する法律)

幼児教育・保育を無償化

 ことし10月1日から、3~5歳児について幼稚園や認可保育所などが無償化されることとなりました。
(令和元・5・17法律第7号=子ども・子育て支援法の一部を改正する法律)

日中間の社会保障の二重加入問題の解消

 日本と中国からそれぞれの相手国に派遣されている企業駐在員などは、日中双方の公的年金制度への二重加入が義務付けられていましたが、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者は、原則として派遣元国の公的年金制度にのみ加入することが可能となりました。
(令和元・5・17条約第1号=社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定)

被扶養者の要件に原則国内在住を追加

 被用者保険の被扶養者等の要件に、原則として国内に居住していること等が追加されました。

 また、個人番号カードを保険証として使用できることとなりました。
(令和元・5・22法律第9号=医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律)

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