経済社会を持続可能なものとしていくため、その担い手である労働者の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を推進することが必要とされています。
厚生労働省は、「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」を策定し、事業主およびその団体が、雇用する労働者の労働時間等の設定を改善するに当たって、適切に対処できるよう必要事項を定めています。
今般、働き方改革を推進するための関係法律の整備等に伴い、同ガイドラインの一部が改正され、次のような内容が規定されることとなりました。
労働基準法等の改正に伴う改正
(1)時間外労働の上限規制の導入
・時間外労働の上限規制の導入を踏まえつつ、上限時間については、業務の見直し等により適切な時間を設定し、時間外労働・休日労働の削減に取り組むこと
(2)一定日数の年次有給休暇の確実な取得
・年次有給休暇の時季指定義務に留意しつつ、計画的な年次有給休暇の取得促進に取り組むこと
・年次有給休暇管理簿を作成したうえで、その取得状況を労働者およびその上司に周知すること
労働時間等設定改善法の改正に伴う改正
(1)勤務間インターバル制度の普及促進
・深夜業の回数の制限、勤務間インターバルおよび朝型の働き方の導入を検討すること
(2)企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組みを促進
・労働時間等設定改善企業委員会等による話し合いの機会を設けるに当たっては、その決議に関する特例の活用を図ること
(3)取引上の配慮促進
・特に中小企業等が時間外労働・休日労働の削減に取り組むに当たっては、長時間労働につながる取引慣行の見直しが必要であること
その他の改正
・多様な働き方の選択肢を拡大するため、勤務地、職務内容、勤務時間等を限定することで、就業機会の付与とその継続、能力の発揮を可能とする「多様な正社員」の導入に努めること
・災害を受けた地域の復興支援におけるボランティア活動等の重要性を踏まえ、事業主が労働者に対して、地域活動、ボランティア活動等への積極的な参加を働きかけること
この告示の適用日は、平成31年4月1日です。
その他の新法令・通達
ホテル・旅館の車いす使用者用客室の設置基準の見直し
バリアフリー法施行令の改正に伴い、床面積が2,000㎡以上で、客室の総数が50以上のホテルまたは旅館を建築する場合には、客室総数の1%以上の車いす使用者用客室を設けることが義務付けられました。
(平成30・10・19政令第298号=高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令)
特定都市再生緊急整備地域の区域を拡大
都市の国際競争力強化の観点から特に重要な地域として指定される「特定都市再生緊急整備地域」のうち、新宿駅周辺地域および横浜都心・臨海地域の区域が拡大されるこ
ととなりました。
(平成30・10・24政令第301号=都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域を定める政令の一部を改正する政令)
熊本地震の激甚災害の適用期間を延長
平成28年熊本地震による災害に係る中小企業信用保険法による災害関係保証の特例の適用期間が、平成31年10月31日まで1年間延長されました。
(平成30・10・31政令第305号=平成二十八年熊本地震による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令の一部を改正する政令)