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平成29年12月27日までの発表・公布・施行分

民泊の普及に伴う旅館業法の改正

[ 2018年2月号 月刊「企業実務」編集部 ]

平成29・12・15法律第84号=旅館業法の一部を改正する法律ほか

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 2017年の年間訪日外国人旅行者数は、11月の時点で累計2600万人を超え、過去最高を更新しました。

 日本政府は、東京オリンピックの開催される再来年の訪日外国人旅行者数を4000万人とする目標を設定しています。増加する訪日外国人の受入先の整備も進められ、一般住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」へ期待が寄せられています。

 しかし、現行の制度では、トラブルも少なくなく、周囲の住民から不安の声も寄せられています。特に、営業許可なく旅行者を泊める「ヤミ民泊」による被害が広がっており、大きな問題となっています。自治体では独自の上乗せ規制を講じるところも出てきているようです。

 そのような現状を受け、旅館業の健全な発達を図り、公衆衛生および国民生活の向上に寄与するため、「旅館業法の一部を改正する法律」が公布されました。

 その主な内容は、次のとおりです。

営業種別の統合

 これまで、旅館業には「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の4種類が設けられていました。

 このうち、「ホテル営業」と「旅館営業」の営業種別が統合され、「旅館・ホテル営業」とされることとなりました。

無許可営業者等に対する規制の強化

 違法な民泊サービスの広がり等を踏まえ、次のとおり、無許可営業者等に対する規制が強化されました。

・無許可営業者に対して、都道府県知事等による報告徴収や、立入検査等が可能に
・無許可営業者に対して、都道府県知事等が、旅館業の停止等を命じることが可能に
・無許可営業者等に対する罰金の上限額を、3万円から100万円に引上げ
・その他旅館業法に違反した者に対する罰金の上限額を、5000円から50万円に引上げ

その他所要の措置

 旅館業の欠格要件に暴力団排除規定等が追加されました。

 施行日は、公布の日から1年を超えない範囲において政令で定める日です。

その他の新法令・通達

社労士による電子申請の代行時の手続きを簡素化

 現在、申請者に代わり社会保険労務士が電子申請を代行する場合には、申請者および社労士双方の電子署名および電子証明書が必要とされています。

 それが、委任状など、当該社労士が申請者の申請手続きを代行する契約を結んでいることを証明する書面があれば、申請者の電子署名および電子証明書を省略できることとされました。
(平成29・11・27厚生労働省令第127号=労働安全衛生規則等の一部を改正する省令)

国民年金保険料の口座振替納付手続きが柔軟に

 国民年金保険料の口座振替納付手続に関して、国民年金第1号被保険者が海外に転出し、任意加入被保険者となる場合等について、被保険者の利便性向上を図るため、改正が行なわれました。
(平成29・12・6厚生労働省令第130号=国民年金法施行規則の一部を改正する省令)

天皇陛下の退位日が平成31年4月30日に決定

 天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行期日が定まり、天皇陛下の退位日が平成31年4月30日に決まりました。
(平成29・12・13政令第302号=天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行期日を定める政令)

改正民法の施行日が平成32年4月1日に決定

 平成29年5月に、企業や消費者の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)に関する「民法」の一部が改正され、民法制定以来、約120年ぶりに抜本的に見直されました。

 その改正民法(「民法の一部を改正する法律」)の施行日が、一部を除いて平成32年4月1日に決まりました。
(平成29・12・20政令第309号=民法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令)

電子委任状取扱業務の認定の更新の期間が3年に

 委託を受けて電子委任状の作成代行や保管を行ない、必要に応じて第三者に送信する「電子委任状取扱業務」について、認定の更新の期間が3年と定められました。
(平成29・12・27政令第328号=電子委任状の普及の促進に関する法律第六条第一項の期間を定める政令)

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