年末調整の実施
年末調整事務に際しては、「扶養控除等(異動)申告書」や「保険料控除申告書」(配偶者特別控除申告書と兼用用紙)などを各社員から提出してもらいます。
各種所得控除を受けるには、払込証明書類などの添付が必要ですから、あわせて提出を促しましょう。
年末調整事務については、10月20日発行の増刊特大号『平成29年版年末調整の進め方と平成30年の税務・保険事務の手引き』にまとめています。
12月決算法人の決算対策
12月決算法人では、毎月の定例事務と並行して、決算作業も進めなければなりません。この時期は、冬季賞与の計算・支給、年末調整事務なども重なります。早め早めを心がけて効率的に処理を進めましょう。
年末・年度末に向けての必要資金の確保
年末・年度末は、資金繰りがタイトになりがちです。余裕をもって準備を進め、直前になって慌てないようにしたいところです。
歳末商戦用に仕入れた商品の支払いと納税時期が重なる場合、決算資金の手当ても考える必要があります。借入が必要なら、早めに取引銀行との折衝を進めます。
また、営業部門と緊密に連携を図り、常にも増して、債権の保全と回収に気を配りましょう。
固定資産税(第3期分)の納付
土地、家屋などの固定資産の所有者は、市町村から送られてくる納税通知書に基づき、固定資産税を年4回に分けて納付します。
納期限をずらしている市町村もありますが、固定資産税(特定の都市では都市計画税も含みます)の第3期分の納期は、おおむね12月中です。詳しくは納税通知書を確認しましょう。
納期の特例が適用される場合の源泉税等の納期限
源泉所得税と復興特別所得税、特別徴収住民税は、原則として給与などから税額を徴収した月の翌月10日までに納付します。
ただし、常時、雇用している社員が10名未満の企業は、申請により納期の特例の承認を受け、年2回にまとめて納付することが可能です。
納期の特例の承認を受けた場合、特別徴収住民税は、6月〜11月の6か月間に特別徴収した税額を12月10日まで(ことしは10日が日曜日のため、11日まで)に納付することになります。
なお、源泉所得税と復興特別所得税は、年末調整の結果に基づき、7月〜12月に源泉徴収した税額を2018年1月20日まで(来年は20日が土曜日のため、22日まで)に納付します。
1月からの源泉徴収事務の準備
1月には、年末調整の結果に基づく給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)、退職所得の源泉徴収票(特別徴収票)などの支払調書を作成し、所轄税務署や社員(受給者)の住所地の市区町村に提出しなければなりません。
早めに提出の要否や記載要領の確認などを済ませるとともに、2018年の賃金台帳(一人別源泉徴収簿)などの用意を進め、社員のマイナンバー(個人番号)の取得モレがないか再確認しておきましょう。
なお、法定調書は書面による提出が原則ですが、あらかじめ税務署長の承認を受けた場合は、光ディスク・磁気テープ・磁気ディスクによる提出、あるいはe‐Taxによる提出が可能です。e‐Taxを利用する際は、事前に所轄税務署へ「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」を提出します。