健康保険の適用事業所に使用される人は原則、健康保険の被保険者になります。
2か月以内の期間を定めて雇用されるなど、臨時的ないわゆる日雇いの仕事に従事する人は、日雇特例被保険者として、月額ではなく日額の保険料が適用されます。
日雇特例被保険者の保険料額(日額)は、次の算式によって算定されます。
・保険料額(日額)
=標準賃金日額×(平均保険料率+介護保険料率)×(1+0.31)
介護保険料率の引上げを反映
平均保険料率は10%で変動がありませんが、介護保険料率の見直し(1.58%→1.65%)に伴い、日雇特例被保険者に係る保険料額が下表のように変動することになりました。
標準賃金額の等級 | 日雇特例被保険者 に関する保険料額 |
当該被保険者の 負担すべき額 |
当該被保険者を 使用する事業主 の負担すべき額 |
---|---|---|---|
第1級 | 440円 | 170円 | 270円 |
第2級 | 660円 | 255円 | 405円 |
第3級 | 860円 | 330円 | 530円 |
第4級 | 1,100円 | 420円 | 680円 |
第5級 | 1,320円 | 505円 | 815円 |
第6級 | 1,630円 | 625円 | 1,005円 |
第7級 | 2,010円 | 770円 | 1,240円 |
第8級 | 2,390円 | 915円 | 1,475円 |
第9級 | 2,770円 | 1,060円 | 1,710円 |
第10級 | 3,230円 | 1,235円 | 1,995円 |
第11級 | 3,770円 | 1,440円 | 2,330円 |
この保険料額は平成29年4月納付分から適用されます。
介護保険第2号被保険者に該当しない場合については、保険料額の変動はありません。
その他の新法令・通達
ライフジャケット着用義務化
海中転落による死亡・行方不明を防止するため、原則としてすべての小型船舶乗船者にライフジャケットの着用が義務化されることとなりました。
(平成29・2・1国土交通省令第5号=船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の一部を改正する省令)
障害者就労支援の拡充
障害者総合支援法施行規則が改正され、雇用契約を結んで就労機会を提供する「就労継続支援A型」の運営等に関して、利用者の希望を踏まえた就労の機会提供を行なう旨等の義務規定等が設けられました。
(平成29・2・9厚生労働省令第5号=障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則等の一部を改正する省令)
保安基準の見直し
フルラップ前面衝突時の乗員保護基準の強化など、国際基準の改正にあわせて道路運送車両の保安基準が改正されました。
(平成29・2・9国土交通省令第7号=道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令)
特殊健康診断の検査項目追加
ウレタン樹脂の硬化剤として使われる化学物質(MOCA)に係る特殊健康診断の項目に、膀胱がん等を予防・早期発見するための尿中の潜血検査等が追加されました。
(平成29・2・16厚生労働省令第8号=特定化学物質障害予防規則の一部を改正する省令)
情報漏えい時になすべき対応
個人情報保護法ガイドライン(通則編)で別途定めるとされていた、個人データの情報漏えい等の事案が発生した場合等の対応が定められました。
(平成29・2・16個人情報保護委員会告示第1号=個人データの漏えい等の事案が発生した場合等についての対応について定めた件)
休眠預金の活用に向けた制度整備
民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律の成立に伴い、休眠預金から除かれる預金の具体的内容等が整備されました。
(平成29・3・3内閣府、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省令第2号=民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律施行規則)