正社員に移行する時に必要な手続き
近年、有期契約社員、パートタイマー、アルバイト、派遣社員等の非正規社員の存在感が高まっています。総務省の「労働力調査」によると、平成 26 年 12 月時点で雇用者数(役員を除く雇用者)5,308 万人のうち 2,016 万人が非正規社員で、全体の 4 割弱を占めています。
今後、労働人口が減少していくなかで、良い人材を新規に採用することはだんだん難しくなっていくでしょう。非正規社員のなかに意欲と能力がある人材がいるなら、正社員へ登用することも企業としては検討したいところです。
そのために必要な手続きと留意点について解説します。
●パートタイマーの場合
ここでパートタイマーとは、正社員より労働時間が短い雇用契約の者として、話を進めます。
パートタイマーから正社員になることにより、労働契約の内容が変更となるので、労働契約書を新しい労働条件で再度作成することになります。
また、労働時間が現在の契約よりも長くなるので、当該パートタイマーだった者について、雇用保険、社会保険に未加入だった場合は、加入手続きが必要です。
健康診断の対象者になることにも留意する必要があります。
●契約社員の場合
ここでは契約社員を有期雇用契約の者として、話を進めます。
契約社員から正社員になることにより、労働契約の内容が変更となるので、労働契約書を新しい労働条件で再度作成することになります。
契約社員でも労働時間によって雇用保険、社会保険に加入している場合と加入していない場合があること、また2か月以内の契約期間で社会保険の対象となっていないこともあります。
契約社員の時に雇用保険、社会保険について未加入だった場合は、改めて加入手続きが必要となります。
●派遣社員の場合
派遣社員の場合は、働く場所が同じということも多いと思いますが、雇用主となる会社が変わりますので、新たに雇用する会社で雇用保険、社会保険に加入する手続きが必要となります。
派遣先と派遣社員との直接の労働契約は、派遣期間終了後であれば自由ですが、派遣社員を派遣期間中に正規雇用したいという場合、派遣元の会社との契約により、派遣会社に紹介料が発生することがあります。
よって、前もって派遣会社との契約内容等を確認することが必要です。
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