健保・厚年の標準報酬の切替え
7月に提出した「報酬月額算定基礎届」に基づく定時決定で、9月から健康保険・厚生年金保険の標準報酬が切り替わっています。また、9月からの一般被保険者の厚生年金保険料率は18.182%(改定前は17.828%)に引き上げられています。
加えて、ことしは標準報酬月額の等級の新設があったことには注意が必要です。
厚生年金保険については、標準報酬月額の下限として、8万8,000円(1等級)が、ことしの10月分(11月30日納付期限分)から新設されます。
新標準報酬と改定後の料率による保険料は、原則として10月に支給する給与から徴収を開始します。手続きや金額等を改めて確認しましょう。
来年度の採用内定とそのフォロー
来春新卒予定者に採用の内定を出すにあたっては、入社誓約書を同封して内定通知書を送り、記名した誓約書を返送してもらいます。
また、入社をより確実にするため、内定者に対しては、定期的な連絡、社内報の送付、懇親会の実施など積極的なフォローを行ないましょう。
なお、内定辞退者が出た場合に備えて、欠員を補充できる体制(追加募集、採用面接の実施など)も整えておきたいところです。
社員の異動に伴う事務手続き
同一職場内の異動であれば、特に法定の手続きはありませんが、住所地が変わる転勤や出向、扶養家族に変更があった場合は、社会保険関係の法定手続き、諸手当(通勤手当・住宅手当・家族手当など)の変更に関する事務などが発生します。
貸与物品の返還や異動先への事務引継ぎも必要です。
また、人事履歴をパソコンで管理している企業では、異動に伴うデータ更新も忘れずに行ないましょう。
なお、月刊「企業実務」10月号では、社員の転勤をスムーズに進めるコツについて紹介しています。
全国労働衛生週間
10月1日から「全国労働衛生週間」がスタートします。今年度のスローガンは「健康職場つくるまもるはみんなが主役」です。
この機会に、社員1人ひとりの健康管理意識を啓発するとともに、自社の安全衛生活動の見直しを進め、快適な職場環境づくりに努めましょう。
ストレスチェックの実施
企業のメンタルヘルス対策として、従業員数50名以上の事業場では、11月30日までに、第1回目のストレスチェックを実施することが義務付けられています(当面の間、社員数50名未満の事業所は努力義務)。
実施後は、ストレスチェックの結果を踏まえて高ストレス者を選定し、プライバシーに配慮しながら、医師による面接指導の要否を確認します。
ストレスチェックをまだ実施していない企業を対象に、独立行政法人労働者健康安全機構が無料相談に応じています。
●ストレスチェック制度サポートダイヤル(0570-031050/受付は平日10時〜17時)
健康診断の実施
秋に健康診断を実施する事業所では、その要領について社員に周知徹底し、当日都合がつかない社員には別の受診日を設定し、受診モレが発生しないように努めましょう。
また、再検査等の診断結果が出た社員に対しては、確実な受診を促すことも大切です。
なお、健康診断個人票は5年間の保存が義務づけられています。重要な個人情報ですので、その管理にも気を配る必要があります。
冬季賞与の資料・情報の収集
冬季賞与を支給する予定の会社は、検討にあたって資料・情報の収集を始めたい時期です。
各種媒体のほか、商工会議所や同業組合、取引銀行の経営相談所などの資料・情報で、地域や業界の相場を調べておきましょう。
また、支給原資についても早めに確認し、売掛金の回収を強化するなど、資金確保の方法を検討しておきます。
月刊「企業実務」10月号では、役員賞与支給のための事前確定届出給与の手続きを解説しています。
年末商戦の人手の確保
7月の有効求人倍率は1.37倍と、ここのところ高い水準を維持しています。業種別の動向をみると、特に情報サービス、建設、介護、飲食業等で、人手不足が顕在化しています。
年末の繁忙期に向けて、パートやアルバイトを確保する必要がある会社は、例年以上に早めの手配を心がけましょう。
「延納」を申請した場合の労働保険料第2期分の納付期限
労働保険の概算保険料は一括納付が原則ですが、年度更新の際に「延納」の申請をすることにより、3期に分割して納付することができます。
ことしの第2期分の納付期限は10月31日です。
所轄の労働局から納付書が送られてきますので、内容を確認し、期日までに納付しましょう。
労働者死傷病(軽度)報告の提出
7月〜9月の3か月間に発生した業務中の軽度の事故や疾病により、社員が3日以下の休業をしたときは、10月31日までに労働者死傷病(軽度)報告を、管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。
なお、4日以上の休業が発生した場合には、そのつど労働基準監督署に報告しなければなりません。