Q 新規の取引相談があった!まず何を調べたらいい?
A 当たり前のことですが、取引を行う場合、その取引先がどんな企業で、今回の取引はどんな取引なのかを把握しなければなりません。
過去に取引したことのない企業と取引をする場合には、まず「自社はまだ相手のことをよく知らない」ということを認識し、取引相手の素性など、基本的な情報から確認することが大切なのです。
解説
取引相手の把握
皆さんが名前も知らない人から「お金を貸して」と言われても不安で貸せないように、商取引を行ううえでも、取引相手の素性を知っておくことは非常に重要なことです。
まずは、ホームページや商業登記簿謄本などで、その企業が実在するか、名刺に書かれている社名と一致しているか、事業内容は今回の取引内容と一致しているか、などを確認することで、取り込み詐欺の被害を防止することにも繋がります。
また、近年ではコンプライアンスの観点から、反社会的勢力との取引に巻き込まれないように、いわゆる「反社チェック」を行うことも重要な活動となっています。
自社が、円滑な取引を行うためにふさわしい企業であるか、交渉の初期段階できちんと見極めることが必要です。
取引内容の把握
取引の可否を検討するために必要な情報として、相手先の情報だけでは十分とは言えません。自社がこれから行う取引がどのような取引なのかを十分に理解しておくことが、安全かつ円滑に取引を行うためのポイントになります。
取引の内容を把握する際には、まず、どのような経緯で今回の取引相談に至ったのか、今回行う取引はどのような形態なのか、取引する商品やサービスはどんなものなのか、などを知ることが第一歩となります。そのうえで、売買取引であれば、販売代金は、いつ、どのように回収できるのか、販売した商品は取引相手からどのような販路で流れていくのか、などを確認し、商品やお金の流れを把握していきます。
これから行う取引が、どのような性質を持ち、どんなリスクがあるのか、を意識して情報収集することで、より高度な取引可否判断を行う材料となるのです。
・相手先から入手できるもの
企業パンフレット、商品カタログ、決算書(3期分)、販路情報、代表者および役員の履歴書、会社組織図など
・相手先以外から入手できるもの
商業登記簿謄本、不動産登記簿謄本、企業概要データ、信用調書、決算情報、新聞・雑誌の記事、信用不安情報
出典:本記事は、『取引先リスク管理Q&A』(リスクモンスター データ工場 著)からの転載です。
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