「正社員」…長期雇用が前提だがゼネラリストとしての能力が求められる
まずは、正社員と派遣社員・契約社員の違いを確認していきましょう。
正社員とは、通常、雇用契約期間の定めのない社員を指します。つまり、社員側から退職の申し出をするか、会社から辞めてほしいと言われない限りは定年まで仕事を続けることができる雇用形態です。
長期雇用が前提なので、賞与・退職金制度、病気になったときの休職制度などの適用を受けることができますが(会社の規定「=就業規則」によって異なる)、転勤、出向を含む配置転換に応じなければならず、ゼネラリストとして会社が命じるさまざまな業務に対応し、さらに部下を管理する能力も求められます。
「派遣社員・契約社員」…有期契約であり、仕事内容が決まっている場合が多い
一方、派遣社員および契約社員は、雇用契約期間に定めのある社員を指します。つまり原則は、契約期間が終了すれば、雇用関係も終了します。
正社員のように長期雇用を前提にしていないので、会社は教育訓練や配置転換は、よほどの事情がない限りは行ないません。雇用契約時に提示された勤務場所で、決められた仕事に従事をすることになります。賞与・退職金・休職制度についてもほとんどの会社では対象外です。
「契約社員」と「派遣社員」の違い
では、契約社員と派遣社員の違いは何でしょうか? それは、直接雇用かそうではないかの違いです。
契約社員は正社員と同様に、給料の支払いや仕事の指揮命令は、雇用契約を結んでいる会社からになりますが、派遣社員は給料の支払いは雇用契約を結んでいる派遣元の会社から、仕事の指揮命令は派遣先から受けることになります。
派遣社員や契約社員は、「雇用契約期間が終了すれば、雇用契約は終了」というのが原則です。1回の雇用契約期間は1年以内の場合がほとんどなうえ、必ずしも契約更新が前提とされていません。正社員に比べ失業リスクが高いことから失業給付受給の際に特別な取扱いがあります。
また、派遣社員については契約中断の際の社会保険(健康保険および厚生年金)で特別な取扱いがあります。
出典:『2015-2016「転職・退職」会社を辞める時の手続き完全ガイド』(日本実業出版社)
『2015-2016「転職・退職」
会社を辞めるときの手続き完全ガイド』
日本実業出版社 編
A4変型判/並製 価格 1,512円(税込)
ISBN 978-4-534-60315-9
他人には聞けない転職・退職時の各種手続きについて、雇用保険、健康保険、年金、税金のパートごとにわかりやすく解説。
◆章立て◆
[わかってしまえば意外にカンタン!]すっきり辞める手続き一覧
[タイプ別・あなたはこうすればいい!]退職前後の手続きフローチャート
[これで安心!]あなたの疑問にズバリ答えるQ&A
PART1 [記載例つき!退職前後の手続き]雇用保険をしっかりもらおう
PART2 健康保険にカシコく入るコツ
PART3 年金で万一のときにも備えよう
PART4 税金を払い過ぎたら取り戻そう
特別記事 転職・退職のテクニック