あなたの「モチベーション」は元気ですか?
第3回(定年後の「ライフプラン=夢」と「お金」について考えよう)、第4回(キャッシュフロー表と家計バランスシートで定年後生活を「見える化」しよう)とお金の話が続きましたので、ここで少し趣を変えたいと思います。
さて、50 歳から先の人生を見据えたとき、「仕事との向き合い方」を考えないわけにはいきません。50 歳を迎える多くの会社員にとって、社会に出てから約 30 年の人生でもっとも多くの時間を費やしてきたのは、やはり「仕事」だったはずです。
では、皆さんにとって「仕事」とは何ですか?
生きるための糧を得るためのもの…そうですね。それは間違いない。
でも、それだけでしょうか。たとえ生きるためであったとしても、できるだけ仕事を充実させ、仕事をとおして自己実現を図るために努力をして、ここまできたのではありませんか。
もちろん思い描いたとおりの仕事人生ではなかったかもしれません。いや、思いどおりにならないことが多いのが人生です。仕事に対するモチベーションが下がったことも、きっと1度や2度ではなかったはずです。
そんなとき、「なんとかして仕事に対するモチベーションを上げよう」と努力した経験はありませんか?
そこで、今回は仕事やキャリアについて考える前に、ちょっと寄り道。「モチベーション」について考えてみましょう。
「不純な動機」こそが「やる気」のスイッチを入れる?
行動科学という分野があります。アブラハム・マズローの欲求 5 段階説は有名ですね。
これを「仕事人生」としてとらえてみると、50 歳は自我の欲求から自己実現の欲求(または、マズローが晩年唱えたという「自己超越」)の段階に差し掛かるときかもしれません。
また、モチベーション=「やる気をつける機動力・原動力」として考えたとき、やる気のスイッチには「ホワイトエンジン」と「ブラックエンジン」があるという説があります。
ブラックエンジンは、他人からみると不純な動機、欲に駆られた動機ともいえますので、モチベーションの機動力・原動力にすることを遠慮する人が多いかもしれません。
が、しかし、何か困難なことにチャレンジするときに、実はこのブラックエンジンが欠かせないといいます。
やる気のエンジンとして威力が強いのは、ホワイトエンジンよりもむしろブラックエンジンだとされているのです。こう考えると、ブラックエンジンもそう悪いものではありません。
ただし、ブラックエンジンだけで突っ走ると息切れしてしまいますし、持続的な良い結果を導き出すことはできません。
そこで、ブラックエンジンだけでなく、ホワイトエンジンも発動させる習慣を身につけることが、必要かつ重要になります。なぜならば、「持続的な成功」には、周囲からの信頼や協力が必要だからです。