50歳になると見えてくる人生の風景
改めて、50 歳はどんな歳なのか、考えてみましょう。
会社員生活もちょうど3分の2を過ぎるのが、この年齢です。仕事もプライベートもがむしゃらに突き進む 30 代、40 代を経て、ふと気がつけば役職定年が目前に迫っています。
子どもは成長し、早ければそろそろ夫婦2人だけの静かな生活が始まるでしょう。自分や配偶者の親の介護問題も浮上するかもしれません。
一方、男性の生涯未婚率(50歳時点での生涯未婚率)は 20.14 %、女性は 10.61 %となり(国立保障・人口問題研究所「人口統計資料集2014」)、男性にいたっては、この40年間で生涯未婚率は約12倍にもなっています。
このままいけば、2050 年には男性の 35.4 %、女性は 27 %の人が、生涯を独身で過ごすことも予想されています。
厚生労働省が発表する年金額も然り、生命保険文化センターが発表するゆとりある生活費も然り、従来は“夫婦世帯”という視点から、家計や生活を捉えることが多かったのですが、これからは、いわゆる“おひとり様”という視点からも、個々の人生を考えるべき時代が始まっています。
「体・心・環境」が激変する“アラフィフ・クライシス”
50歳とは、仕事はもちろんですが、プライベートでも変化ある年月を経て今、人生の先が見え始め、いろいろな意味で節目になる歳です。この50歳前後のことを“アラフィフ・クライシス”と呼ぶ人もいて、いろいろな変化が起こる年代でもあります。









●自分や配偶者の親の介護・同居問題
●配偶者との死別や離婚
●昇進・栄転・配転・異動 など
●体力の衰え
●更年期障害 など
●年金・医療・介護事情も刻々と変化するなど
●物事の感じ方・考え方の変化など
高齢期の問題を直視して、ライフプランニングを立てる
こうしてみると、これから先の人生は大変そうだと感じるかもしれません。でも、それは考え方次第です。
男女とも人生80余年、まだまだしばらくは元気に行動できる年齢です。65歳まで働くとしても、残された自由な時間はかなり多いものです。
日本人の平均寿命(2013年): 男性 80.21 歳 女性 86.61 歳
0歳
20~22歳前後
50歳
65歳
80歳
▲
出生
▲
社会人に
▲
65歳定年

会社員生活を43年、1日8時間労働とすると、生涯労働時間は、
8時間×257日/年×43年=88,408時間
リタイア後、15年間の自由な時間は、
※睡眠時間と食事等の時間を1日8時間とし、残り16時間を自由時間とする
16時間×365日×15年=87,600時間
…となり、ほぼ同じ時間数となる。
これからの人生を充実させるために何をすればよいのでしょうか?
答えは一つ。これからやってくるであろう問題から目をそむけずに、自らのセカンドライフを見据えたライフプランニングを立て、すぐにでもスタートさせることです。
もちろん、長い人生、これから先いろいろなアクシデントにより、途中で方向変換することがあるかもしれません。それでも、常に、対応策やヒントを用意していれば、間違っても路頭に迷うことはないでしょう。
では、どんなことを考えればよいのでしょう? 細かいことはいろいろとありますが、大きく分けると次のようになるのではないでしょうか。

では、次回から、一つずつ紐解いて、考えるべき課題とその対策を一緒に練っていきましょう。
- ▼連載「50歳からのキャリアプランニング」
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- 第10回 もう50歳? まだ50歳? 悩める50代のためのライフプランニング
- 第9回 会社人生で培った知識&ノウハウ&人脈をシニア起業で花開かせたい
- 第8回 「PDCAサイクル」と「社会人基礎力」でオリジナルキャリアを描こう
- 第7回 「働きたいだけ働く」その先に待つ自由な時間に、あなたは何をしますか?
- 第6回 セカンドライフに必要な「保障」は何か?じっくり考えて保険を見直そう
- 第5回 「不純な動機」と「変化を楽しむ」気持ちが定年後の「やる気」に火をつける!?
- 第4回 キャッシュフロー表と家計バランスシートで定年後生活を「見える化」しよう
- 第3回 定年後の「ライフプラン=夢」と「お金」について考えよう
- 第2回 夫婦世帯、おひとり様…それぞれの視点から“アラフィフ・クライシス”に備える
- 第1回 定年後を見据え、いま考えておきたい「仕事・お金・生活…」